スピードレポートがGoogle Search Consoleで一般公開される、サイトの速度改善に役立つ

[レベル: 上級]

Search Console のスピードレポートを Google は一般公開しました。

スピードレポートは、その名が示すとおりにウェブサイトのページの表示速度に関する情報を提供するレポートです。
今年 5 月の Google I/O で紹介され、一部ユーザーを対象に試験公開されていました。
試験運用版であるものの、全ユーザーに解放されました。

サイトの速度をレポート

Search Console にログインすると「拡張」メニューに「速度(試験運用版)」が出ているはずです。

速度(試験運用版)

サイト内のページの速度を 3 つに分けてスピードレポートはレポートします。

  • 低速
  • 中速
  • 高速

モバイルと PC に分かれてレポートします。

スピードレポート

それぞれの詳細を見ることができます。

スピードレポート

指標の味方

次の 2 つの指標をスピードレポートはレポートします。

  • FCP: First Contentful Paint(コンテンツの初回ペイント)の略。ユーザーが URL をリクエストしてから、ブラウザが URL の最初の表示要素をレンダリングするまでの時間
  • FID: First Input Delay(初回入力遅延)の略。ユーザーが最初にページを操作したとき(リンクのクリックやボタンのタップなど)から、ブラウザがその操作に応答するまでの時間

高速・中速・低速の分類は次の表に基づきます。

  高速 中速 低速
FCP 1 秒未満 3 秒未満 3 秒以上
FID 100 ミリ秒未満 300 ミリ秒未満 300 ミリ秒以上

CrUX データを利用

スピードレポートのデータは、実際のデータをもとにレポートされます。
具体的には、Chrome を利用しているユーザーの情報がもとになっています。
もっと具体的に言うと、Chrome User Experience (CrUX) レポートがもとになっています。

ラボのデータではなく、あなたのサイトを訪問した実ユーザーのデータに基づくということです。

修正リクエスト

中速および低速に分類されたページ群は問題を特定し解消した後、修正の検証をリクエストできます。

修正を検証

通常、修正は 28 日以内に完了します

ペナルティではない

公式アナウンスにもヘルプにも書かれていませんが、1 つ補足しておきます。
Google 社員に直接確認したことです。

「低速」に分類されたからといって、インデックスやランキングにマイナスな影響が出ることはありません。
まして手動対策を受けることもありません。

「表示速度がとても遅いから速くしようね」という Google からの提案です。
極端に言えば無視できます(もちろん、おすすめはしませんが)。

「低速だからペナルティを受ける」と騒がないようにしてください。

とはいえ、あまりにも遅い場合は Speed Update(スピード アップデート)の影響を受ける可能性があるので、注意が必要です。

高速ページを参考にパフォーマンス改善

高速に分類されたページの詳細からは類似ページを確認できます。

高速ページの共通点を探り当てることで、ほかのページにもその特徴を適用すればサイト全体のパフォーマンス改善に役立つでしょう。

低速・中速ページも類似ページを確認できます。
高速とは逆に、遅いページの共通点を探ってボトルネックを解消することに役立つでしょう。

ページの詳細からは PageSpeed Insights を起動できます。
その場で検証できるのは便利です。

ここまで、スピードレポートの機能をざっくりと説明しました。
レポートの詳しい見方と使い方はヘルプページで説明されています。
サイトの速度改善にスピードレポートを活用してみてください。

スピードレポートはまだ試験運用版です。
問題点や機能要望があれば Google にフィードバックしてください。