この記事では、2025 年 11 月 7 日に Google 東京オフィスで開催された Search Central Live Tokyo 2025 での Q&A セッションにでた 15 個の質問とその回答の要点をまとめます。
Q&A セッションの質問と回答 × 15
Q: robots.txt での URL ブロックと noindex ディレクティブの適切な使い分け、そしてそれらの誤用による悪影響の例にはどんなものがあるか?
A: robots.txt と noindex は、2 つの異なる目的を果たす。robots.txt はクロールを制御するために使用し、ボットに URL へのアクセス自体をさせないよう指示する。noindex ディレクティブはインデックス登録を制御するために使用し、クロールされたページを検索結果に表示しないよう Google に指示する。これらを同一の URL に併用することはできない。ページが robots.txt によってブロックされている場合、Google はそのページ上の noindex ディレクティブを決して見ることができないからだ。
Q: コアアップデート後にサイトの順位が下落した場合、どの点を確認し、どのように改善計画を立てるべきか?
A: コアアップデートの問題については、個々のページだけでなく、サイト全体を改善することに集中しなければならない。サイト全体を俯瞰的な視点で見直し、改善すべき領域を特定する必要がある。単純で単一の解決策はない。Google には、コアアップデート後にコンテンツを自己評価する方法に関するドキュメントがあり、これが推奨されるリソースである。
Q: プロダクトとしての Google Search Console の将来の方向性は?
A: Search Consoleは常に改善されており、新機能が追加されている。最近の例としては、Search Console Insights(分析情報)や Achievements(実績)が挙げられる。Google は常にテストを行っている。具体的な内容は明かせないが、将来的には AI を組み込み、クリエイターにより良いインサイトやツールを提供することになるだろう。
Q: Google 検索と Gemini の関係が分かりにくい。検索チームと Gemini チームはどのように連携しており、将来的にはより緊密に連携するのか?
A: Gemini と検索の将来的な統合はまだ決定していない。Google の核となる使命はユーザーに最高の情報を提供することであり、現在はそのための最適なフォーマットがチャットボットなのか、AI Overview なのか、あるいは従来の検索なのかを判断するための大規模な実験段階にある。まだひとつに定まった道筋はない。
Q: AI Overview のような AI 機能にコンテンツを引用してもらうにはどうすればよいか?また、AI の台頭によって SEO はどのように変化するのか?
A: Google の現在の AI 機能(AI Overview など)のための最適化は、従来の SEO と同じ基本に基づいている。これらの機能は既存の検索インデックスとクローラー上に構築されているため、新たな特別なテクニックや構造化データは必要ない。引き続き、高品質で役立つコンテンツを作成することに重点が置かれる。これらの AI 機能からのトラフィックは、Search Console の検索パフォーマンスレポートで確認できる。
Q: Search Console は、従来の検索、AI Overview、AI Mode からのトラフィックを分類したパフォーマンスレポートを提供できるか?
A: これは非常によくある正当なリクエストであり、Google も認識している。エコシステムにとってこのデータの重要性を理解している。しかし、様々な内部的な理由により、この分類は現在提供されていない。いつか提供したいと考えているが、現時点で共有できるタイムラインや具体的な計画はない。
Q: コンテンツ制作者は、読者の目標やユーザーインテントをどのように分析できるか?
A: Google トレンドと Search Console の両方を使用する。Google トレンドでは、主要なトピックを調査して傾向を把握し、関連用語を比較し、「誰が」「何を」「なぜ」といった単語を追加して検索することで、人気のある質問を特定する。Search Console は、パフォーマンスレポートを分析して、どのクエリが既にサイトへのトラフィックを促進しているかを確認し、ユーザーインテントをより良く満たす機会があるクエリを特定する。
Q: 「SEO は死んでいない」と言われるが、ユーザーの行動は明らかに変化している。Google はどのような新しいユーザー行動を観測しており、パブリッシャーは何を意識すべきか?
A: ユーザーの行動は常に変化しており、SEO は常にそれに適応してきた。現在の大きなトレンドは、ユーザー(主に Z 世代が牽引)が情報をより直接的かつ便利に提供されることを望んでいる点である。これが AI Overview のような機能の主な推進力となっている。パブリッシャーは、即時性のある要約された情報へと向かうこの変化を認識すべきである。「Think with Google」のウェブサイトでは、こうした進化するユーザー行動に関する調査やインサイトが提供されている。
Q: Search Console の Discover レポートを「デバッグ可能」にして、なぜページが表示されるか、または表示されないかを示せるようにできるか?
A: システムが複雑であり、ランキングシグナルを明らかにすることは不公平であるため、Search Console が特定のページが表示される理由や順位について直接的な回答を提供することはできない。このツールの目的は、データを提供し、修正可能な潜在的な技術的問題(クロールエラーや構造化データの問題など)を特定することである。核となるアドバイスは、引き続き、優れたウェブサイト上で高品質で発見可能なコンテンツを作成することである。
Q: 中小企業向けの新しいウェブサイトがインデックス登録に苦労している。Google のインデックスは限界に達しているのか?中小企業は簡単にインデックスされることを諦めるべきか?
A: インデックスは無限ではないが、動的であり、ページの追加と削除は常に行われている。今日の主な課題は、あらゆるニッチ分野における極めて高い競争レベルである。解決策は、SEO のマーケティング側面に焦点を当てることだ。つまり、他のチャネル(ソーシャルメディアなど)を通じてサイトを宣伝し、ユーザーを直接引き付けることである。人々が自発的にサイトを訪れるようになると、それは Google がサイトの価値を認識する上で肯定的なシグナルとなり、評価の向上につながる可能性がある。
Q: Google トレンドはトピックをどのように定義しているのか?特に、似た名前のトピックが複数ある場合(例:企業の Apple vs. 果物の Apple)はどうなっているのか?
A: Google トレンドのトピックはナレッジグラフのエンティティに基づいている。Google のシステムは、検索クエリの文脈からユーザーの意図を理解し、それを正しいエンティティに関連付けようとする。ナレッジグラフ自体が進化するため、トレンドのトピックが再ラベル付けされたり、関連トピック間でデータが移動したりすることがある。このような場合、生の検索クエリを分析することで、ユーザーの関心をより安定して見ることができる。
Q: Gemini アプリからの流入を特定するにはどうすればよいか?明確なリファラーがないように見えるが。
A: これは既知の問題であり、Google はコミュニティからこのリクエストを受け取っている。Gemini からのトラフィックの帰属をより明確にする必要性を認識している。現時点で具体的な解決策はないが、Gemini プロダクトからのウェブエコシステムへのサポートはまだ成熟段階にあることを認めている。
Q: AI の台頭により、我々が知る Google 検索は終わったのか?
A: いいえ。
Q: Google が公式にサポートしているタイプとしてドキュメント化していないが、schema.org で定義されている構造化データを、Google はどのように使用するのか?
A: 構造化データのタイプが Google の公式サポートリストにない場合、それが特定の機能(リッチリザルトなど)に使用される保証はない。Google は HTML 内の情報を解析し理解することはできるが、サポートされていないタイプを使用しても、ランキングに直接的かつ大きな改善をもたらすことは期待できない。Google は、ユーザーにとって最も有用だと判断したタイプのサポートに注力している。
Q: 2 年前、機械翻訳されたコンテンツには人間の監督が必要だと言った。AI による翻訳が爆発的に増えた現在、この見解に変化はあったか?
A: ガイダンスに変更はない。Google は依然として、翻訳の品質と正確性を保証するための人間の努力が払われたことを確認する必要がある。人間のレビューが一切ない自動翻訳コンテンツは、多くの場合ユーザーにとって有用ではなく、低品質と見なされる可能性がある。少なくとも翻訳内容が意味をなし、その目的を果たしているかを確認することが良い実践方法である。
以上です。
Q&Aセッションだけは録画していたため、Google 検索オフィスアワーとして YouTube で公開されるのではないかと思います。
この記事は要点のまとめてなので、回答全体は動画で確認できるでしょう。
