Bing チャットはさらに多くのトラフィックをコンテンツ発行者に送る、一方Google Bardはソースを提供しようとしない

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Bing チャット経由でもより多くのトラフィックをコンテンツ発行者に送ることをMicrosoft は約束しました。
トラフィック増加だけにとどまらず、広告収入も増やすことを目指しています。

一方で、Google の Bard は、参照先のソースを提供しようとしません。

Bing チャットは回答にリンクやソースを挿入

Bing チャットは、ほぼ必ず参照先サイトのリンクやソースを回答を挿入してくれます。

3 月のコア アップデートの展開が完了しているかどうかを Bing チャットに尋ねたときの回答です。
回答中にはリンクが貼られているし、回答の終わりにはサイト名(ドメイン名)も列挙しています。
質問内容によっては、検索結果のプレビューも出してきます

Bingチャットの回答

参照先を提示することにより、Bing チャットの回答の作成に利用されたサイトへトラフィックを送ってくれます。

ときには広告も

さらに、ときには、回答の中に広告を挿入してくることもあります。

Bingチャットの広告
📝画像は、許可を得て、Search Engine Roundtable から転載

広告であることを示す “Ad” ラベルが付いています。
広告収益は、パブリッシャーにシェアするとのことです。

Google Bard は参照先の提供を拒否

一方で、Google の Bard が参照先のソースを提供してくるのは極めてまれです。
参照先を提示するように指示しても断固として拒否してきます。

コア アップデートの完了について質問し、ソースを提示するように指示しても提示しません。

Bard

I’m a text-based AI and can’t assist with that.

私は、テキストベースの AI で、それ(ソースの提示)については手助けできません。

指示の仕方を変えても断固として拒否してきます。

ソースの提示について、Google は FAQ ページで次のように説明しています。

Bard, like some other standalone LLM experiences, is intended to generate original content and not replicate existing content at length. We’ve designed our systems to limit the chances of this occurring, and we will continue to improve how these systems function. If Bard does directly quote at length from a webpage, it cites that page.

Bard was built to be a creative and helpful collaborator—it works well in creative tasks like helping you write an email or brainstorm ideas for a birthday party. We see it as a complementary experience to Google Search. That’s why we added the “Google It” button to Bard, so people can easily move from Bard to explore information from across the web.

Bard is an experiment, and we’ll use its launch as an opportunity to learn, iterate, and improve the experience as we get feedback from a range of stakeholders including people like you, publishers, creators, and more.

簡潔に言えば、LLM(大規模言語モデル)である Bard は自分でコンテンツを生成しており、既存のコンテンツを複製しているわけではないので、特定のソースを提示できないというのです。

例外は、長い引用をウェブページから利用する場合です。
この場合は、参照元を提示するようです(僕はいまだかつて見たことはない)。

このように、参照した情報を抵抗するスタンスに関しても、Google と Microsoft の違いが見て取れます。
ちなみに、OpenAI の ChatGPT はソースを自発的に提供してくることはほとんどありませんが、頼めば提供してくれましたね。

AI チャット返してきた回答の詳細を調べたり、何よりも信頼できるかどうかをファクトチェックしたりにはソースの確認は必要だと僕は感じます。
ですが、Google の考えは違うようです(しょっちゅうウソをつくくせに)。