Google、市販薬の成分情報を提供するナレッジグラフを導入

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Googleは、市販薬に関係するナレッジグラフの提供を始めました。
一般的に普及している市販薬の成分をナレッジパネルとして表示し、その効果や市販薬の名前、副作用などの各種情報をナレッジパネルで説明します。

市販薬のナレッジパネルの例

こちらは、日本でも頭痛薬としておなじみの Bufferin(バファリン)の検索結果に出てくるナレッジパネルです。

bufferinのナレッジパネル

bufferinの主な成分はAsprin(アスピリン)です。
Asprinに関するナレッジパネルが表示されます。

bufferinのナレッジパネル

アスピリンの説明として、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)やBlood thinner(抗凝血剤)なんていう僕には聞き慣れない医学用語が使われていますが、向こうの人にはわかるでしょう。
そしてアスピリンを成分とした有名な市販薬や処方箋が必要かどうか、お酒と一緒に服用してはいけないなどの情報が並びます。

こちらは、Claritin(クラリティン)の検索で出てくるナレッジパネルです。
クラリティンは鼻水やじんましんを抑える市販薬です。

claritinのナレッジパネル

クラリティンの成分である Loratadine(ロラタジン)がナレッジパネルの対象になっています。
ロラタジンは第二世代抗ヒスタミン薬です。

病気や健康、医療に関する情報に関するナレッジグラフの提供を今年の2月にGoogleは始めています。
Googleによれば、Google検索の20に1つは健康に関する情報を求めているとのことでした。

「何が含まれているの?」とか「副作用はあるの?」、「妊婦だけど飲んでも大丈夫?」など薬に関する検索もおそらく多いのではないでしょうか。
製薬会社のその薬のページを探しだすよりも、検索結果で求めている情報が手に入るのは便利に違いありません。

ナレッジパネルを見ると、承認された機関や専門家によってナレッジグラフは編集されていることがわかります。
信頼性という点でも安心できます。

Googleから公式な発表はなく、今のところは米Google(google.com)の英語の検索だけで利用できるようです。
アメリカ旅行中に具合が悪くなって向こうで売っている市販薬を飲む羽目になったときには、僕たちにも役立つかもしれません。
一方で薬の情報を扱っているサイトにとってはトラフィックを奪われる可能性があり、あまり嬉しい仕組みではないかもしれませんね。

H/T: Dr. Pete Meyers & Jennifer Slegg