[レベル: 中級]
「機械学習で動いている」「3番目に重要なアルゴリズム」「15%の未知のクエリを処理してきた」、こんな特徴を持つGoogleのアルゴリズムの1つ RankBrain に対して、どのようにSEOを最適化すればいいのでしょうか?
答えはシンプルです。
何もしない。
「何もしない」というのは、乱暴な言い方かもしれません。
もう少し丁寧に言えば、「RankBrainのために特別なことをする必要はなく、今までのように普通にやりなさい」ということになります。
GoogleのゲイリーがアドバイスしたRankBrain最適化
The SEM PostのJeniffer Slegg(ジェニファー・スレッグ)氏が、豪アデレードで開催されたカンファレンスで、RankBrainに対してどのように最適化できるかをGoogleのGary Illyes(ゲイリー・イェーシュ)氏に質問しました。
RankBrainに最適化する方法を見つけ出そうとするよりも、もっとやるべきことがたくさんある。
このようにイェーシュ氏は前置きして、次のようにアドバイスしたとのことです。
RankBrainに最適化するのは実はすごく簡単だ。
僕たち(Google)がたぶんもう15年くらい言い続けてきたことで、僕たちの推奨でもあるんだけど、自然な言葉で書くことだ。人間が使うような言葉に聞こえるように書こうとすればといい。
もし機械っぽく書こうとしたら、RankBrainは混乱して抵抗するだろう。
サイトでコンテンツを公開しているなら、いくつかの記事、あるいは書いたのもはなんでもそうだけど、声に出して読んでみて自然に聞こえるかどうかをひとに聞いてごらん。
もし会話のように、日常生活で使うだろう自然な言葉に聞こえるなら、間違いなくRankBrainに最適化できている。
もしそうでなければ、最適化できていないね。
ちなみに、「自然な言葉で書け」は、「増えてきている音声検索に対して最適化できることはあるか?」とGoogle Dance Tokyoで僕がゲイリーに質問したときに返ってきたアドバイスでもあります。
RankBrainの最適化は何もしないこと
RankBrainは、僕たちが普段から使っている、あるいは新たに生まれた言葉を自らの力で理解して、それに対して最適な結果を検索で返すためのアルゴリズムです。
操作しようとすること自体が最適化から外れています。
RankBrainの導入が明らかになったことを解説した記事のなかで、僕が書いていたとおりです。
さて、僕たちサイト管理者はRankBrainにどのように対応していけばいいのでしょうか?
なんといっても、AIベースの新しいアルゴリズムです。
それ相応の特別な施策が必要になってきそうです。結論を言えば、何もする必要はありません。
自慢するわけでも何でもなくて、RankBrainがどういうものかをきちんと理解できていれば、自然とこの結論にたどりつきます。
にもかかわらず、SEOの世界の中にはRankBrainを間違って解釈しているひとが少なからずいます。
「RankBrainに対応したSEO」のブログ記事やサービスもチラホラ出てますね。
「RankBrainに完全対応!」を見かけたら疑ってください。w
ユーザーにとって役立つことを自然体で書いていくことがRankBrainの最適化にほかなりません。
RankBrainを正しく理解するために
GoogleはRankBrainについて多くを語っていません。
そんななかでも、RankBrainについて正しい情報を伝えている記事を紹介します。
RankBrainをきちんと学びたいSEO関係者の方は読んでおくといいでしょう(一般のウェブ担当者は読む必要はありません)。
まず、RankBrainを最初に報じたBloombergの記事です。
次は、この記事が公開された直後に、Dany Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏が書いたSearch Engine Landの記事です。
- Meet RankBrain: The Artificial Intelligence That’s Now Processing Google Search Results
- FAQ: All About The New Google RankBrain Algorithm
最後は、RankBrainが公になってからしばらくたったのち、新たに出てきた情報やGoogleの文献などをもとにRankBrainを深く考察した記事です。
著者のDavid Harry(デイビッド・ハリー)氏とAJ Kohn(AJ・コーン)氏は、IR (Information Retrival) やGoogleの特許ほか、検索まわりの知識が非常に豊富な人物です。
これらの5つの記事だけを読んでおけば、RankBrainに関して正しい理解を得ることができるでしょう。
裏を返せば、これら以外のRankBrain関連の記事を読むと誤った解釈を持ってしまうことがありえます。