Googleの支配力:60%の検索がクリックなしで終了

[レベル: 中級]

SparkToro 社は、Semrush 傘下の Datos 社と共同で、2024 年の米国および EU における Google 検索でのユーザー行動に関する調査を実施しました。
この調査では、Datos 社が保有する数百万台のデバイスのクリックストリームパネルを活用し、検索トレンドと結果を分析しました。

主な調査結果

主な調査結果は次のとおりです。

  • ゼロクリック検索:検索結果でどの結果もクリックしない、いわゆる「ゼロクリック検索」が、米国では 58.5 %、EUでは 59.7% と、かなりの割合の検索がクリックなしで終了している。これらの検索は、ブラウジングセッションの終了、または検索クエリの変更につながった
  • Google による自社への誘導:検索トラフィックのかなりの部分を Google は自社プロパティ(YouTube や Google フライト、Google ホテルなど)に誘導している。米国では、すべてのクリックの約 30% が Google 所有のプラットフォームに誘導されており、EU ではこの数字はやや低くなっている
  • オープンウェブへのクリック:Google が所有していない、または Google 広告に費用を支払っていない一般ウェブサイトへのアクセスは、Google 検索 1,000 回につき、米国では 360 クリック、EU では 374 クリックだけ
  • Google の市場シェア:一部のメディア報道とは異なり、Google の市場シェアと検索ボリュームは減少していない。実際、ユーザーあたりの検索数は過去最高を記録している
  • AI Overviews の影響: 2024 年 5 月に Google の AI Overviews 機能が導入(その後縮小)されたことで、検索行動に目に見える変化が生じ、特にモバイル検索が大幅に減少した。

調査結果のキーポイント

調査結果から導き出された主要なポイントは次のとおりです。

  • ゼロクリック検索は、米国と EU の両方で依然として支配的な傾向
  • Google は、検索における優位性を活用してトラフィックを自社プロパティに誘導し続けているが、この傾向は EU ではやや弱まっている
  • 他の検索エンジンや AI ツールに Google はシェアを奪われているという懸念があるにもかかわらず、市場シェアと検索ボリュームは依然として堅調
  • AI Overviews の導入と撤回は、検索行動、特にモバイルデバイスにおける検索行動に大きな影響を与えた

米国と EU での調査結果なので、日本の Google 検索にもそのまま当てはまる保証はありません。
それでも個人的には、似たような傾向が見られるのではないかと想像します。

調査結果の詳細と考察は Rand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏がまとめた元記事を読んでください。

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