Googlebotがクロールするのは1サイト1か所、複数の場所からはクロールしない

[レベル: 上級]

Googlebot がクロールしてくる場所はサイトにつき 1 か所です。
複数の場所から Googlebot はクロールしません。

場所に応じたリダイレクトに対する Google からのコメント

ユーザーがアクセスした場所に応じてリダイレクトし着地ページを切り替える構成を設定したサイト管理者がいました。
Google が認識するまでにどのくらいの時間がかかるかという質問に対して John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は次のようにコメントしました。

変化はないだろう。

1 つの場所からだけしか私たちはクロールしない。通常は米国からだ。わずかの別の場所からクロールすることもあるが、1 サイトにつき 1 か所だけ選ぶ。複数の場所からはクロールしない。

また、場所に応じたリダイレクトはまったく推奨しない。

地域分散クロールがあっても 1 か所からだけのクロール

ミューラー氏のコメントのポイントをまとめます。

  • Googlebot がクロールするのは 1 サイトにつき 1 か所から
    • 主に米国からのクロール
  • 別の場所からクロールするサイトもわずかにある
    • それでも決まった場所からのクロール、複数の場所からはクロールしない

通常、米国内の IP アドレスから Googlebot はクロールします。
しかし、地域分散クロールという仕組みがあり、米国外の IP アドレスもクロールに使用することがあります。

ただし、地域分散クロールが実際に適用されるのは稀(まれ)です。
基本的には米国からのクロールです。

ここまでは、すでに僕は認識していたことです。
でも “1 つのサイトにつき 1 つの場所からのクロール“、これは知りませんでした。

珍しいとはいえ地域分散クロールが適用された場合は、米国に加えて別の場所からもクロールされるものだと想像していました。
でもそうではないようです。

たとえば、日本からの地域分散クロールが適用されていたとしたら(本当に日本からの地域分散クロールがあるかどうかは知らない)、そのサイトは常に日本からのクロールということになります。
通常の米国からのクロールは起こらないわけです。

地域分散クロール自体がほとんど使われていないし、多地域向けのサイトを運用していないのであれば無関係な仕様ですが、僕にとっては新しい事実なので記録として残しておきます。

場所に応じたリダイレクトは非推奨

なお、ユーザーが使用する言語やアクセスした場所に応じた自動リダイレクトを Google は推奨していません
サイトのすべての言語バージョンを Google が見られなくなる場合があるからです。
クロールやインデックスが正常に行われない可能性があります。

またユーザー体験の観点からもよろしくありません。
日本にいるユーザー全員が必ずしも日本語ページを見たいとはかぎりません。

強制的にリダイレクトするのではなく、国/言語をユーザーが選択できるようにするべきです。