Googlebotのユーザーエージェントが今年12月に変更、ChromeのアップデートにあわせてUA文字列も更新

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Googlebot のユーザーエージェント (UA: User Agent) の文字列を変更することを Google は告知しました。
今年の 12 月に変更を実施する予定です。

UA も Chrome 41 から最新バージョン Chrome へ

Googlebot のレンダリングエンジンは長いこと Chrome 41 相当でした。
今年の 5 月にレンダリングエンジンを Google はアップデートしました。
現在は、Chrome のバージョンアップに合わせて Googlebot のレンダリングエンジンもアップデートします。

しかしながら、ユーザーエージェント(以下、UA)の文字列に含まれる Chrome のバージョンは 41 のままでした。
変更してしまうと、UA の文字列を検出して何らかの操作を行っているサイトに影響が出てしまうかもしれないからです。
そのため、修正のための猶予期間を設けていました。

今回は明確に期限を区切り、12 月に UA を変更することを通達したのです。

UA 文字列の変更内容

UA の文字列は具体的に次のように変わります。

スマートフォン用 Googlebot

スマートフォン用 Googlebot の完全な UA 文字列は現在はこのようになっています。

Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/41.0.2272.96 Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

12 月に次のように変わります。

Mozilla/5.0 (Linux; Android 6.0.1; Nexus 5X Build/MMB29P) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/W.X.Y.Z Mobile Safari/537.36 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

Chrome/W.X.Y.Z の“W.X.Y.Z” にはその時点での最新の Chrome のバージョン番号が入ります。
たとえば、Chrome/76.0.3809.100 のようになります(“W.X.Y.Z” が実際の文字列に含まれるわけではない)。

パソコン用 Googlebot

パソコン用 Googlebot の完全な UA 文字列は現在はこのようになっています。

Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

または

Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Safari/537.36

12 月に次のように変わります。

Mozilla/5.0 (compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html)

または

Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; Googlebot/2.1; +http://www.google.com/bot.html) Chrome/W.X.Y.Z Safari/537.36

2 種類ある UA のうち片方(下の UA)が変わります。
スマートフォン用 Googlebot と同じで、Chrome/W.X.Y.Z の“W.X.Y.Z” にはその時点での最新の Chrome のバージョン番号が入ります。

スマートフォン用もパソコン用も Googlebot/2.1 はそのままですね。

UA 変更に伴う対応

大多数のサイトでは UA 文字列の変更に際して何らかの対応を迫られることはありません。

Googlebot の UA を厳格に検出して、たとえば Chrome のバージョンを検出して、特別な処理を構成しているようであれば、対応が必要かどうかを検証してください。
Chrome のデベロッパーツールで、UA 名を任意の文字列に変更してサイトにアクセスできます。

公式アナウンスの「How to test your site」のセクションに、テスト段階で発見された問題の具体例を Google は挙げています。
具体的に変更が必要かどうかわからない場合は、このセクションの説明を見せて、サイトのサーバー管理者や開発者に問い合わせてください。

今年の 12 月に UA が変わるので、それまでに間に合わせる必要があります。

ユーザーエージェント文字列の更新は、内部的にはそれなりに大きな変更ではありますが、一般的なサイトにはまったく影響しないでしょう。
それでも、SEO 頑張っている人は知っておきたい変更です。