Google、「アプリからのNowカード」APIの一般公開に向けて準備中

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Googleは、「アプリからのNowカード」のAPIを開発者のだれもが利用できるように準備中とのことです。

米テキサスで開催されているSXSWで、Google Nowのプロダクト・マネジメント・ディレクターのAparna Chennapragada氏が、Google Nowの現状と将来について講演しました。

アプリからのNowカードは、現在はパイロットプログラムとして限られた40のサードパーティ製のアプリだけが対応しています。
仕様とAPIを一般公開することで、すべてのアプリ開発者が自分のアプリによる通知をNowカードに表示することが可能になります。

アプリからのNowカードとは

アプリからのNowカード」はこのブログで記事にしました。
とはいえ、馴染みがないプロダクトなので簡単におさらいしておきましょう。

GoogleアプリのNowカードは通常Googleが作成します。
たとえばよくアクセスするサイトの新着記事や住んでいる場所の天気予報のカードを表示します。

一般的なNowカード

しかし、アプリからのNowカードでは、サードパーティのアプリが独自のNowカードを表示することができるのです。

日本ではクックパッドがアプリからのNowカードに対応しています。
「旅先の郷土料理や、節分など季節ごとの行事、天気にちなんだレシピなど、季節や場所にあわせた、おすすめのレシピを表示」してくれるとのことです。

こちらは僕のスマートフォンに出てきたクックパッドのNowカードです。

クックパッドのNowカード

ちなみにどうして北海道の料理なのかは謎です。
僕は東京に住んでいるし北海道に旅行する予定もありません。(・・?

日本ではほかには、SUUMOやSmartNewsがパイロットプログラムに参加しています。

アプリからのNowカードの拡大を目指す

「アプリからのNowカード」の普及拡大をGoogleは目指しているようです。

米GoogleのGoogle+公式アカウントが昨日この機能を紹介していました。

Walgreens(ウォルグリーン)は、米国の大手薬局チェーンです。
アプリからのNowカード プログラムに参加しています。

たぶん、ウォルグリーンのお店に入るとあなたのポイントカードのバーコードがNowカードとして出てくるのだと思います。
(物理的な)カードを財布から出したりアプリを起動させる必要がなくなりますね。
この人はポイントカードを使うだろうとアプリが(位置情報から?)判断して、先取りして表示してくれるのです。

ディズニーランドに遊びに行ったときにアトラクションの待ち時間を通知する、こんなNowカードの開発にも取り組んでいるそうです。
今は自分で公式サイトのページにアクセスしないといけません。

あなたが乗りたそうなアトラクションだけの待ち時間だけに絞って通知してくれたら嬉しいですね。
さらに、今が空いているから早く行きましょうとアラームで通知してくれたら最高です。

Googleは、どういったときにどんなカードが役に立つかをユーザーに調査してアプリからのNowカードの改良に取り組んでいるとのことです。

フライトに間に合うための出発時間のように、同じアプリであっても人によって出すべきタイミングが異なる通知もあります。
今のあなたに合わせた情報を、サードパーティ製のアプリとともにGoogleはNowカードに表示させようとしています。

アプリからのNowカードの発展に注目

このブログのテーマである「SEO」からは離れたトピックをこの記事では取り上げました。
しかし、「検索」という観点から見ると大いに関係してきます。

Nowカードは、いわば予測検索です。
あなたが探すであろう情報を先回りしてあなたに伝えるのです。
「天気予報」と検索しなくても天気予報を表示します。
最寄り駅や電車の時間を調べなくても先に教えてくれます。

あるいはあなたが検索しようと思い付きもしなかったけれど、あなたに必要と思われる情報を提供してくることさえあるかもしれません。

サードパーティのアプリと連携することによって、予測検索がさらに充実したものになります。
まさしくあなた専属のパーソナルアシスタントになります。

アプリを開発しているサードパーティからすれば、ユーザーにプッシュ通知が可能になります。
エンゲージメントを高めることに役立つでしょう。

ランキング要因にもなったApp Indexingは、ウェブサイトとアプリを連携させているなら今すぐにでも実装したい機能です。

一方、「アプリからのNowカード」はどんなふうに発展していくか今後に注目したい機能です。
あなたがアプリ開発者なら、仕様やAPIが一般公開され、App Indexingのように自由に利用できる日が来ることを楽しみに待ちましょう。
アプリ開発者でなければ、同じ職場にいるアプリ開発者に「アプリからのNowカード」という楽しみな機能がそのうち使えるようになるよと教えてあげましょう。