Googleが検索品質ガイドラインを更新、YMYLの社会カテゴリを「政府・市民・社会」へ拡張・明確化

[レベル: 中級]

Google は、検索品質ガイドライン (Quality Rater Guidelines) を更新しました。

前のバージョンの発行日は 2025 年 1 月 23 日で、最新バージョンの発行日は 2025 年 9 月 11 日です。
約 8 か月後の更新です。

変更の概要

今回の更新は、YMYL(Your Money or Your Life)トピックの定義の明確化にほぼ限定して焦点を当てた、非常に的を絞ったものです。
社会的な危害、特に市民活動や政府に関する分野のコンテンツが高い危害のリスクを伴い、最も厳格な基準で評価されなければならないことを、評価者に対してより明確に Google は示しています。

  • 市民活動関連トピックのための YMYL カテゴリの明確化: ガイドラインは、曖昧だった「YMYL Society(YMYL 社会)」カテゴリを、より明確で実用的な「YMYL Government, Civics & Society(YMYL 政府、市民活動、社会)」カテゴリに置き換えました。この変更は、情報が公共の生活や公的機関にどのように影響を与えるかという点に特化した注力を示すものです。
  • 選挙および投票に関する情報の YMYL トピックとしての明示: 新しい定義では、「election and voting information(選挙および投票に関する情報)」が YMYL トピックとして具体的に挙げられています。これは評価者に対し、投票の方法、時期、場所、そして選挙プロセスの完全性に関するコンテンツを最高レベルの厳格さで扱うよう直接指示するものです。
  • 危害に基づくフレームワークがより規範的に: YMYL を特定するための全体的なフレームワークは引き続き潜在的な危害の評価に基づいていますが、今回の更新では市民社会への危害に関する定義がより正確になりました。「人々の生活に影響を与える」政府や社会に関するあらゆる情報コンテンツを含むように範囲を拡大し、これらの分野における正確性と信頼性が検索品質にとって最重要であることを強調しています。

一方で、E-E-A-T に関するガイダンスには実質的な変更はありません。
Trust の最優先性や利益相反の具体例など、中核となる説明は従来どおり維持されています。

同様に、スパムポリシー(大量コンテンツ生成、サイトの評判の不正使用など)の事例も引き続き掲載されており、目立つ変更はありません。

詳細な変更履歴

概要で説明したように、実質的には、1 つの主要な変更に絞られた更新でした。
具体的には、11 ページの「セクション2.3:Your Money or Your Life (YMYL) Topics」です。

旧ガイドライン (2025 年 1 月版):

YMYL Society: Topics that could negatively impact groups of people, issues of public interest, trust in public institutions, etc

YMYL 社会: 人々の集団、公共の利益に関する問題、公的機関への信頼などに悪影響を及ぼす可能性のあるトピック

新ガイドライン (2025 年 9 月版):

YMYL Government, Civics & Society: Topics that could negatively impact groups of people, issues of public interest, trust in public institutions, election and voting information, and any other informational topics about government, civics or society that impacts people’s lives.

YMYL 政府、市民活動、社会: 人々の集団、公共の利益に関する問題、公的機関への信頼、選挙および投票に関する情報、その他人々の生活に影響を与える政府、市民活動、社会に関するあらゆる情報トピックに悪影響を及ぼす可能性のあるトピック

YMYL Government, Civics & Society

SEO への影響

今回の変更は、市民参加や政府機能、選挙に関連するコンテンツの重要性を高め、リスクと品質基準の観点から、健康や金融に関するコンテンツと同等のものとして位置づけています。
選挙や投票手続き、公的機関、政府の政策などに触れるコンテンツはすべて、最も厳格な YMYL の観点から評価されます。

この種のコンテンツが高品質と評価されるためには、公式で権威ある情報源(例:政府のウェブサイト、確立された超党派の市民団体)から発信されるか、直接裏付けられている必要があります。
E-E-A-T、特に「権威性」と「信頼性」が品質の主要な評価基準となるでしょう。