[レベル: 中級]
詐欺サイトを検索結果から排除するための取り組みに関するレポートを Google は公開しました。
Google 検索は、高度な人工知能システムを用いて検索結果から詐欺を排除しており、毎日数十億件の潜在的に詐欺的なページをブロックし、99% スパムのない検索体験をユーザーに提供しています。
AI 主導の詐欺サイト検出
過去 3 年間で、Google は詐欺対策分類器 (anti-scam classifiers) の AI 強化版を段階的に導入し、2024 年には大幅なアップグレードを実施しました。
大規模言語モデル (LLM) は膨大なテキストコーパスを解析し、微妙な言語的手掛かりを察知して、一見正当なサイトの背後にある不正ネットワークをマッピングします。
このパターンベースの分析により、新たに現れる詐欺手法を迅速に認識し、対策を素早く展開できます。
詐欺師はあらゆる言語で活動するため、同じ LLM を多言語でトレーニングしています。
英語で詐欺を検出できれば、ヒンディー語やドイツ語、スペイン語など他の言語でも検出精度が向上し、世界中のユーザーの露出を抑えられます。
AI で強化された詐欺サイト対策の成果
レポートでは、詐欺サイト対策の実績が数値で示されています。
- AI の継続的な改良により、検出能力は 3 年前と比べて 20 倍に向上
- 2024 年の大規模なアップデート後、Google は現在、毎日数億件もの有害な詐欺関連結果がユーザーに届くのを防いでいる
- 航空会社のカスタマーサービス詐欺は 2024 年に 80% 以上を削除
- 偽の政府サービスサイトは 2024 年に 70% 以上を削減
詐欺サイトの撲滅にも、LLM 技術が役立っています。
成果は数字にも表れています。
現在 Google は、検索結果の 99 % を詐欺スパムのない状態に保っているということです。
これに関しては、素直に感謝したいものです。
なお、ここでいう詐欺サイトは、金銭的など実質的な害をユーザーに与えるサイトです。
不正な SEO 手法で単純に上位表示を狙うスパムサイトではありません(そういった手法を利用している詐欺サイトもあるだろうけれど)。
不正な SEO を働いているスパムサイトも 100% に限りなく近く排除してもらえると僕たちも助かるのですが。