Google PageRankスカルプティングはもう役に立たない!

GoogleのSEOに衝撃的なニュースです。

PageRankの流れを操作する「PageRankスカルプティング(PageRank Sculpting)」が、機能しなくなるようなのです。

6月2日と3日に米シアトルで、SMX Advancedというサーチマーケティングの一大エキスポが開催されました(Sphinn Japan公開時にやり取りしたDannyが議長です)。

このカンファレンスでGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が、セッションの中で明らかにしました。

Dannyが、Search Engine Landで詳細を説明しています。

特に重要な部分を引用します。

Matt Cutts dropped a bomb shell that it no longer works to help flow more PageRank to the unblocked pages. Again ? and being really simplistic here ? if you have $10 in authority to spend on those ten links, and you block 5 of them, the other 5 aren’t going to get $2 each. They’re still getting $1. It’s just that the other $5 you thought you were saving is now going to waste.

比喩が使われているので、分かりやすい解釈に直して説明します。

PageRank10のページがあって、リンクが10本貼られていたとします。
何もしない通常の状態では、リンク先ページにPageRankが均等に分配されるので、各ページはPageRankを1ずつ受け取ります。

5本のリンクにnofollw属性を付けたとします。
この5本に与えられるはずだったPageRankは、nofollowの付いていない普通のリンクに回されるので、普通のリンク(nofllowのないリンク)はPageRankを2ずつ受け取ることになります。

これが、PageRankスカルプティングですね。
重要でないページにPageRankを渡さずに、重要なページにより多くのPageRankを渡せます。

ところが、この仕組みが変わる(変わった?)のです。

nofollowが付いたリンク先ページが受け取ったはずのPageRankが、nofollowが付かないリンク先ページに回されるのではなく、そのまま破棄されてしまうのです。

ジュースがいらないからといって、誰か他の人に渡すわけではなく、捨ててしまうのです。

図に表します。

まず、PageRankスカルプティングを用いないプレーンな状態です。

▼既定のPRの流れ
PageRankスカルプティングなし
PR10のページから、5つのページにリンクを張っています。
各リンク先ページが受け取るPageRankは、「2」です。
※先の説明では、10ページにリンクが張られた場合を例にしていましたが、図が小さくなるので5ページに変えています。

▼これまでのPageRankスカルプティング
PageRankスカルプティングあり

3本のリンクにnofollowを付けます。
nofollowの付いたリンク先ページに渡るPageRankは「0」、渡らずに余ったPageRankが残りの2ページに渡って、PageRank5を受け取ることができます。

▼今後の無意味なPageRankスカルプティング
意味のないPageRankスカルプティング
nofollowで渡されなかったPageRankは、通常リンク先のページには渡されません。
もともともらえるはずだった分しか、もらえません。
「いらないものはいらない」で終了です。

これまでMatt Cutts氏は、PageRankスカルプティングは必須ではないし、コンテンツを充実させることや、自然なリンクを集めることが重要だと言いつつも、いく度となくPageRankスカルプティングを肯定してきました。

なぜこれまでの発言をひるがえして、PageRankスカルプティングをPageRankのコントロールに役に立たなくしたのか、理由は分かりません。

彼の真意と、僕たちの解釈に相違があることも考えられます。

新たな事実が分かり次第、お伝えしていきます。

【UPDATE】
どうやら、このMatt Cutts氏の発言は、本人が意味することと違うふうに解釈されてしまっているようです。
詳しい情報が入ったら記事をアップします。