[レベル: 中級]
AI システムのコンテンツ理解を手助けする手段として、LLMs.txt を Google は利用していません。
LLMs.txt とは
LLMs.txt を簡単に説明すると、生成AIクローラにサイト内のページの情報を伝えるためのテキストファイルです。
ただし、定まった仕様ではなく、単にこんな仕組みを使ってみてはどうかという提案レベルの技術にすぎません。
決して、AI 業界内で標準化された仕様でないことは知っておく必要があります。
LLMs.txt を使っている AI システムは存在しない
AI 検索の最適化の方法として、LLMs.txt の構成を推奨している人がいます。
また、LLMs.txt を作成するツールや CMS プラグインも公開されているようです。
LLMs.txt のこうした利用について Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、次のようにコメントしています。
私が知るかぎりでは、現状で llms.txt を使用している AI システムはない
FWIW no AI system currently uses llms.txt.
— John Mueller (@johnmu.com) June 17, 2025 at 9:10 PM
今は標準仕様ではなかったとしても、将来標準になれば多少の効果はあるのではないかという指摘については次のように述べています。
そういうことはないように思う

LLMs.txt の背景と、AI 企業が利用していないことに関しては、Web担当者Forum の連載コラムでも取り上げています。
こちらも参照してください。
なお、Web担のコラムでも補足しているように、Google 以外にも OpenAI や Microsoft など主要な AI 企業が LLMs.txt を採用しているという公式情報はありません。
クロールするからといって利用しているわけではない
LLMs.txt を使っていないと Google は言ってるが、LLMs.txt をクロールしているじゃないか。ウソをついている。
こんな非難をどこかで目にしました。
LLMs.txt のクロール自体はまったく自然です。
Googlebot がその URL を発見すればクロールするのは当然です。
LLMs.txt はテキストファイルであり、インデックス登録が可能なファイル形式に含まれています。
そりゃ、見つければクロールするでしょうよ。
ここで認識しなければならないのは、クロールしたからといって、コンテンツ理解のために LLMs.txt の情報を AI システムが利用している証拠にはまったくならない点です。
単純に、“何か” が書かれているテキストファイルとして処理しているにしかすぎないと解釈するのが妥当です。
それでも、LLMs.txt を絶対に使っていないという断言はできないという指摘があったとして、それはもっともです。
しかしながら、秘密にしていても意味のないことです。
コンテンツ理解に役立つのであれば、「使っている」と堂々と宣言することに不都合はありません。
そもそも、LLMs.txt は簡単に操作できます。
スパムの温床になりそうな仕組みを Google が採用するとは到底思えません。
LLMs.txt を実装すること自体を否定するつもりはありません。
ただ、効果は期待しないほうがいいですよというのが僕の考えです(さらに言えば、作成に費やす時間がもったいない)。