進化を続けるGoogleのナレッジグラフ、フィルタ機能と比較機能を搭載

[対象: 中〜上級]

Googleは、創設から15年を迎えました。

検索結果は、当初の10本のリンクだけを並べたシンプルな形態から現在は大きく様変わりしています。

ナレッジグラフはそのうちの1つです。

目に見える表面そして目に見えない背後で、検索の仕組みをナレッジグラフは大きく変えました
そしてこれからも大きな変化を与えていくでしょう。

Googleは、新たな機能をナレッジグラフに追加しました。

フィルタ機能

ナレッジグラフのカルーセル (Carousel)にフィルタ機能が導入されました。

下は「Impressionist artists」(印象派画家)を検索したときに出てくるカルーセルです。

ナレッジグラフのカルーセルとフィルタ

右側にフィルタがあり、「Impressionist」のほか「Abstract」(抽象派)や「Renaissance」(ルネサンス)などの美術様式で絞り込みができます。

エンティティとエンティティ、ファクト(事実)の繋がり(グラフ)を認識できるからこそなせるわざです。

比較機能

モノゴト(技術用語で言うとエンティティでしたね)を比較する機能が導入されました。

たとえば、「Compare butter with olive oil」(バターとオリーブオイルを比較)を検索すると検索結果ページの上部に両者の比較表が出てきます。

「Compare butter with olive oil」の比較ナレッジグラフ

100gあたりのカロリーとコレステロール、脂肪が表になっています。

比較のナレッジグラフは、比較を意図するいくつかのタイプの検索クエリで出現します。

下は単純に「dog vs cat」(イヌ対ネコ)で検索した結果です。

比較を意図したクエリなのできちんと比較のナレッジグラフが出てきます。

「dog vs cat」の比較ナレッジグラフ

ほかにも「compare earth and moon」(地球と月を比較)や「tokyo tower versus sky tree」(東京タワー対スカイツリー)などいろいろな比較をナレッジグラフが見せてくれます(どんな比較ができるか探してみると面白い)。

デバイス縦断

上で見せたスクリーンショットはPCから検索したときのキャプチャですが、モバイルとタブレットからでも同じ機能を利用できます。

デバイスを横断した機能ですごいのは、あなた検索しなくても、手持ちのモバイル端末が必要なときに必要な情報をあなたに提供してくれる能力を持つことです。

たとえば、自分が持っているNexus 7に“OK Google. Remind me to buy olive oil at Safeway,”(「オーケー、グーグル。忘れずに、セイフウェイでオリーブオイルを買うように言ってくれ」)と音声で入力しておくと、セイフウェイ(スーパーマーケット)に行ったときにNexus 7が教えてくれます。

進化を続けるナレッジグラフ

先週の土曜日、9月21日に開催されたCSS Nite LP29「SEO 2013」で僕はスピーカーとして登壇してきました。

セッションのなかではナレッジグラフを取り上げ、その将来の発展性に注目するように強調しました。

CSS Nite LP29「SEO 2013」での講演

CSS Nite LP29「SEO 2013」での講演
撮影:飯田昌之

さっそく次の進化が訪れたと言えます。

検索に携わる人間として、ナレッジグラフには今後もしっかりと意識を向けていきましょう。

P.S.
フィルタ機能と比較機能は、まだ米Google (google.com) だけでの展開のようです。
日Google (google.co.jp) では確認できませんでした。