ChromeのGoogle検索がSSL化、(not provided)が増えキーワード取得がさらに困難に

[対象: 中〜上級]

現在ベータ版のGoogle Chorome 25から、アドレスバー(オムニボックス)でGoogle検索したときに標準でSSL検索になります。

GoogleのChromium Blogが公式アナウンスしました。

なおSSL検索についてよく理解していなけれはこの記事の後半に簡潔にまとめてあるので先にそちらを読んでください。

Google ChromeのSSL検索デフォルト化

ChromeのGoogle検索SSL標準化という仕様変更により、Google検索からやってきたトラフィックの検索キーワードの取得がさらに困難になることが予想されます。
Googleアナリティクスで言えば、「(not provided)」がますます増えるでしょう。

Firefoxはバージョン14からすでにSSL化されており(現在の最新バージョンは18)、Firefoxの検索バーとロケーションバー、右クリックメニューから検索を実行したときのGoogle検索が、すべてSSL検索になっています。
Googleアカウントのログイン状態には関係しません。

さらに、iOS 6のSafariではデフォルトの検索エンジンをGoogleに設定していた場合はSSL検索になります。
デスクトップ版のSafariもアドレスバーからGoogle検索すると標準でSSL検索になっています(よね?)。

こう考えると、Googleが開発提供しているブラウザのChromeがSSL検索化するのは当然の流れに思えます。
むしろ遅すぎるくらいじゃないでしょうか?

ベータ版での導入なので今すぐの影響はほとんどないとしても確実にその日はやって来るでしょう。

SSL検索化による影響はあなたの管理サイトではどのような状況でしょうか?

僕のブログではGoogleのオーガニック検索の直近3ヶ月の「(not provied)」の割り合いは57.65%です。
完全に半分を超えています。
ロングテール中心のサイトなのでキーワード分析の大きな妨げになります。

もっとも僕のブログはユーザー層から考えて極端な例だと考えます。

僕がGoogleアナリティクスでデータを見ることができるサイトのなかから適当に10サイトほど見てみたところ、ほとんどは10%以内に収まっていました。
Googleが見込んでいたとおりです。

コンピュータに特に関連したジャンルではなく、B2BやB2C、アフィリサイトなど一般ユーザーの利用が大半のサイトたちです。

これらのサイトの訪問者たちのなかでChromeを使っているユーザーもそう多くはないとしたらChromeのSSL化のインパクトも少ないかもしれませんね。

それでもSSL検索の拡大によって多かれ少なかれ影響が出てきくることは予想されます。

僕のブログのようにすでに大きな影響を受けているようならさらなる影響があるかもしれません。

SSL検索化の流れには逆らうことは難しいので、キーワード分析のやり方自体を代えなければならないでしょう。

GoogleのSSL検索とは

GoogleのSSL検索について簡単におさらいします。

2011年11月に、Googleは google.com でのウェブ検索を完全にSSL化することにしました。
日本(google.co.jp)には2012年3月に導入されました。

Googleと検索ユーザーの通信はすべてHTTPSでやりとりされ第三者によるデータの傍受や改ざんができなくなります。

情報の機密性や安全性が極度に高まりユーザーにとっては非常に喜ばしいことでした。

しかし僕たち検索マーケティングに関わっている人間からするととても、とても大きな問題を含んでいました。

それは、アクセス解析ツールでの検索キーワードの取得が不可能になったことです。
SSL検索を利用した場合、リファラーから検索キーワードが削除されます(リファラーそのものを渡さないと認識している人がいるようですがそれは正しくありません)。

Googleアナリティクスでは、「(not provded)」として記録されます。
つまり「(not priveded)」は不明な検索キーワードの集まりです。

Googleアナリティクスに限らず、すべてのアクセス解析ツールでSSL検索からのキーワードを取得できません(示す用語はツールによって異なります)。

唯一、Googleウェブマスターツールの「検索クエリ」だけがSSL化の影響を受けず、すべてのキーワードの取得が可能です。
ただ、さかのぼれる期間やデータ数に制限がある、丸められるため正確な数値を知ることができない、コンバージョン測定ができないなど完全な代替にはなりません。

SSL検索はGoogleアカウントにログインしたユーザーに適用されます。
言い換えると、ログインしていなければ通常のHTTPなので検索キーワードの取得は今までどおり可能です。

サイトへの訪問者のなかでGoogleアカウントを普段から利用しているユーザーがどのくらいいるかによって、SSL検索化によって受ける影響の度合いが変わってきます。

Googleは当初、10%は越えないだろうと見積もっていました。
そのとおりのサイトもあるし、僕のブログのように半分以上がキーワード不明になってしまうサイトもあります。

先ほど、Googleアカウントにログインしているユーザーだけと説明しました。
ところが、Firefoxや(iOSの)Safariはログインしていようがいまいが常にSSLのGoogle検索を使うように仕様が変更されています。

そして近い将来Chromeもそうなるというのが今日の記事になります。