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想像以上のペースでスマートフォンからのアクセスが増えているサイトも多いのではないでしょうか。
モバイル向けのサイトの構築にあなたも取り掛かっているかもしれません。
Googleがもっとも推奨しているモバイル向けサイトの構成はレスポンシブ・ウェブデザインです。
すでに運用中のサイトをレスポンシブ・ウェブデザインに改修するときのSEO上の注意点を、WebmasterWorldのスレッドを基にしながらSearch Engine RoundtableのBarry Schwartz(バリー・シュワルツ)氏がまとめています。
転載の許可をもらった(というよりわざわざ聞かなくても好きに使っていいと言われた)ので紹介します。
ちなみにSearch Engine RoundtableはSEOの世界では1、2を争うほどに有名なSEOブログですがこれはバリーが個人で運用する完全な趣味ブログで彼の本職はウェブ開発です。
RustyBrickという会社を彼は経営しています。
モバイルのサイト・アプリ作成もかなり昔から扱っているのでモバイル系の開発に関しても経験と実績があります。
レスポンシブ・ウェブデザインでサイトをリニューアルするときの基本原則
- URLを同じに保つ、もし変更するなら適切にリダイレクト処理する
- ページのtitleを同じにする
- ページのコンテンツを同じにする
- コンテンツへのナビゲーションをほとんど同じままに保つ
- 画像・写真はそのまま同じにする
- すべてのmetaデータを同じままにしておく
- 基本的なSEOがすべてできているかしっかり確認する
ようはコンテンツ部分以外は変えずになるべく元と同じ状態を保てということですね。
すべてをきちんとやればレスポンシブ・ウェブデザインに変更してもランキングやインデックスに変化は起きないそうです。
ただし必ずテストし、それも何度も繰り返しテストし抜け落ちがないかを必ず確認します。
404エラーが出ていないか調べアクセス解析を見て忘れていることがないかもチェックしなければなりません。
リニューアルとなるとあれもこれもとついでにやりたくなってしまいます。
しかし現在の検索での成績がいいのであれば中身は極力いじらずに見た目だけを変えるようにしたほうが今のいい状態を保てるということになります。
WebmasterWorldのあるメンバーは、ヘッダーやサイドバー、フッターは完全に新しくしたものの変えるべきでないものを事前に入念に調べ上げ何も変えなかったところ2,200万ページのサイトをレスポンシブ・ウェブデザインにリニューアルしてもクロールにもトラフィックにもまったく影響は出なかったと言っています。
WebmasterWorldの別のメンバーも運用するすべてのサイトをレスポンシブ・ウェブデザインに変更したけれどランキングが下がることはまったくなかったとのことです。
適切に実行すればレスポンシブ・ウェブデザインにサイトを仕様変更したとしてもSEOに与える影響はゼロにできそうですね。
ただし知っておきたいことが他にもあります。
それはモバイル向けサイトがユーザーにとって本当に必要かどうかです。
WebmasterWorldのモデレータは、デスクトップ向けの通常のサイト(モバイル対応していないサイト)を利用するモバイルユーザーのコンバージョン率がデスクトップユーザーとほとんど変わらなかったことを管理するサイトで発見して驚いています。
またモバイル版よりもデスクトップ版を好むモバイルユーザーがたくさんいることも見てきたのことです。
鷲見さんがLPO コンサルティング ブログに書いた記事ではスマホサイトよりもPCサイトにモバイルユーザーをアクセスさせたほうが2倍近くコンバージョン率が高かった事実を伝えています。
「モバイルユーザーが増えた」=「モバイル対応サイトを作る」と単純に考えてはダメそうですね。
モバイルのユーザーが何を求めているかが、モバイルサイトのSEOを考えるよりも前に重要になってきます。