2026年2月のGoogle Discoverコアアップデート分析:何が変わったのか?

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2026 年 2 月の Discover コアアップデート」の前後での変化を、NewzDash が分析しました。

アップデート前(1 月 25 日〜31 日)とアップデート後(2 月 8 日〜14 日)の米国のカリフォルニア州とニューヨーク州のフィードを比較しました。その結果、このアップデートがターゲットとしていた 3 つの改善について目に見える変化が観測できました。

  1. ローカル情報がより重視
  2. 釣り見出しの減少
  3. タイムリーな記事が優先

それぞれの変化の特徴を説明します。

1. ローカルな情報がより重視されるようになった

まず目立つのが、地域性の強化です。

米国内のパブリッシャーが全体的に表示されやすくなった一方で、海外サイトのシェアは低下しました。
さらに興味深いのが州レベルの違いで、カリフォルニア州のフィードにはカリフォルニアのメディアが、ニューヨーク州のフィードにはニューヨークのメディアが、それぞれ約 5 倍多く表示されていました。

つまり、Discover はいまや「全国共通の情報」+「あなたの地域の情報」という組み合わせで届けられています。

ユーザーの国に拠点を置くウェブサイトから、地域に関連性の高いコンテンツをより多く表示する

これが、2026 年 2 月の Discover コアアップデートの 1 つ目の改善項目でした。
達成されていると言えそうです。

地域に根ざした情報発信は、以前よりも Discover での大きな武器になります。

2.「続きが気になる」系の釣り見出しの排除

Discover での扇情的なコンテンツやクリックベイトの削減

これが、2 つ目の改善項目でした。

「クリックしたくなる見出し」がすべてダメになったわけではありません。
ただし、テンプレートのように量産された釣り見出しは明確に嫌われるようになっています。

データを見ると、次のような変化が発見できました。

  • 自動車系メディアの Autoevolution はトップ 1000 への掲載がゼロに
  • Yahoo はトップ 1000 掲載数が半減し、上位 100 件からも消える
  • 「心理学によると…」のようなリスト記事が軒並みランク低下

Autoevolution も Yahoo もクリックを誘う定型の記事見出しを繰り返し使用していたメディアです。

一方で、「72.9 → 84.2 文字」へと記事タイトルの平均文字数は増えました。
しっかりとした内容を伝える見出しが好まれる傾向がうかがえます。

読者を引きつける見出しは依然として有効ですが、「中身のないテンプレート記事」は通用しなくなっています。

3. タイムリーで役に立つ情報が優先される

スポーツやニュースカテゴリのシェアが増加し、逆にエンタメ系は大幅に低下しました(米国では 24.40% → 17.90%)。

ただし注意点があり、この期間はスーパーボウル・冬季オリンピック・ワールドカップが重なっていました。
そのため、アップデートの効果とニュースサイクルの影響を完全に切り分けるのは難しい状況です。

また、扱われるトピックの幅は広がった一方で、表示されるパブリッシャーの数は絞られています。
米国では 172 → 158 ドメインへと減少しました。

より多様な話題を、より限られたメディアが担うという構図です。

特定の分野の専門知識を持つウェブサイトから、より詳細でオリジナルでタイムリーなコンテンツを、サイトのコンテンツに関する Google のシステムの理解に基づいて表示する

これが、2026 年 2 月の Discover コアアップデートの 3 つ目の改善項目でした。

達成されていると言えそうです。
「今知りたい」「役に立つ」情報を素早く届けることが、これまで以上に重要になっています。

X の存在感が急上昇、YouTube は依然としてNewzDash DiscoverPulse強し

見逃せない変化として、X のポストが Discover に大量表示されるようになりました。

  • 米国トップ 100 での X アイテム数:3 → 13 件
  • NY トップ 100 では:2 → 14 件
  • X ドメイン全体の視認性は +38% 上昇

表示されているのは主にニューヨークタイムズなどの大手メディアの公式アカウントで、フィード内の滞在時間も通常の記事とほぼ同じ(約 48 時間)という結果が出ています。

ただし、YouTube は依然として圧倒的な存在感を持っています。
X の約 5 倍の動画数・クリック数を誇ります。

気になるのは、あるメディアの自社サイトのスコアが急落する一方、同メディアの X ポストが 1 位になるというケースが見られた点です。
「自社サイトへの流入が X に食われている」可能性もありますが、ニュースサイクルの影響とは区別できていません。

X は Discover の新しい流入経路になりつつあります。
しかしながら、「Discover → X → 自社サイト」という経由が増えると、直接流入と比べてユーザーが離脱しやすくなるリスクもあります。

パブリッシャーが今すぐ意識すべきこと

まとめると、今回のアップデートで Discover が評価するのは次の 3 つです。

  • トピック的な専門性 —— 幅広く浅く扱うより、特定テーマで深く掘り下げるほうが評価される。
  • タイムリーさと実用性 —— 「今読む価値がある」情報かどうかが問われる。
  • 地域への密着度 ―― 地元ユーザーに刺さる情報は、単なるローカル情報よりも「専門性 × 地域性」の組み合わせが強みになる。

権威ある情報源に裏打ちされた魅力的な見出しは引き続き有効です。
対して、テンプレートで量産したコンテンツや根拠の薄い釣り見出しはリスクが高まっています。

調査方法の概要

この分析では、NewzDash DiscoverPulse パネルデータを用いて、2026 年 2 月のコアアップデート前後における Google Discover のパフォーマンスを比較しました。
※NewzDash DiscoverPulse は、独自の Discover リアルタイム トラッキング ツール

期間

  • アップデート前:2026 年 1 月 25 日~31 日
  • アップデート後:2026 年 2 月 8 日~14 日

分析データセット

  • 米国上位 1000 ドメイン(正規化スコア)
  • 米国上位 1000 記事(アップデート前後のエクスポート)
  • カリフォルニア州上位 1000 記事(アップデート前後のエクスポート)
  • ニューヨーク州上位 1000 記事(アップデート前後のエクスポート)

スコアリングの方法

  • Discover 視認性スコアは、各時間ウィンドウ内での相対値である。
  • 各リストの上位項目に 100 点を付与する。
  • その他すべての項目は、上位項目を基準に相対的にスケーリングされる。
  • 米国上位 1000 ドメインについては、前後の比較を同一スケールで行えるよう正規化スコアを使用する。

ドメインの分類

ドメインは以下の 4 つのグループに分類される:

  • プラットフォーム(例:YouTube、X)
  • 海外(米国外のシグナル)
  • グローバル/不明
  • 米国(デフォルトの国内バケット)

分析の観点

  • 正規化されたドメインシェアを用いた国レベルの「国内性」
  • カリフォルニア州・ニューヨーク州の記事エクスポートによる州レベルのパーソナライゼーション
  • 記事レベルのデータセットにおけるプラットフォームシェア(YouTube + X)
  • スコア加重シェアを用いたカテゴリ構成の変化
  • パブリッシャーの集中度と多様性(ユニークドメイン数、上位 10 件・上位 50 件のシェア)
  • クリックベイトのヘッドライン代理分析(マーカーワード、タイトルの長さ、疑問形式、編集系とソーシャル系の比率)
  • X の投稿と編集記事のシェルフライフ比較