Google, Microsoft, PerplexityからのAI検索SEOアドバイス

[レベル: 中級]

Business Insider が公開した AI 検索 SEO をテーマにした記事に、Google と Microsoft、Perplexity からの AI SEO アドバイスが掲載されています。
⚠️すずき注:元記事では「GEO (Generative Engine Optimization, 生成エンジン最適化) という用語が使われているけれど、個人的に好きな用語ではないので AI SEO に置き換えてます(AI SEO が最適だとも思わないけれどまだマシ)

Google、Microsoft、Perplexity からの AI SEO アドバイス

各検索エンジン企業の代表者からの AI SEO に対するアドバイスの要点は次のとおりです。

Google

Google の検索部門ディレクターである Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏からのアドバイスです。

  • 人間の実用性に焦点を当てる:順位や表示回数のためだけにコンテンツを設計してはならない。検索エンジンは人間にとって有益なものを評価しようとしているため、人間にとって役立つ活動に注力すべきである。
  • SEO の基本原則を堅持する:SEO の核心となる原則は、新しい形式の AI 検索にも概ね適用される。これには、クローラーが関連コンテンツに確実にアクセスできるようにするための、ウェブサイト全般および構造化データの適切な管理が含まれる。
  • 短期的なフォーマットの小手先テクニックを避ける:「一口サイズのコンテンツ(細かく分けた段落)」のような特定の形式をモデルが好むといったアドバイスには警戒が必要である。現在は一部の例外的なケースで機能するかもしれないが、モデルは常に再トレーニングされており、システムに迎合するためだけに行った作業の効果は長続きしない可能性がある。
  • マルチモーダルコンテンツを取り入れる:AI フォーマットは「マルチモーダル」なクエリへの対応能力を向上させているため、画像や動画を積極的に取り入れることが有益である。

Microsoft

Microsoft Bing のプリンシパル プロダクトマネージャの Krishna Madhavan(クリシュナ・マーダヴァン)氏からのアドバイスです。

  • 生成された回答への最適化:企業は単なる検索結果のリンクリストへの最適化から脱却し、生成された回答の中に組み込まれることを目指すべきである。
  • 構造と明確さ:
    • キーワードにとらわれず、ユーザーの検索意図や Q&A 構造を考慮する。
    • 長文のテキストブロックではなく、リストや表を使用する。
    • 句読点はシンプルに保ち、エムダッシュ (—) などの記号の使用は避けるべきである。
  • 技術的な実装:「情報の鮮度」や機械が読み取りやすい手がかりを活用する。具体的には、Q&A セクション、サイトマップ、構造化データ、およびサイトの更新を検索エンジンに通知する IndexNow プロトコルの導入などが挙げられる。

Perplexity

Perplexity のコミュニケーション部門責任者の Jesse Dwyer(ジェシー・ドワイヤー)氏からのアドバイスです。

  • SEO 戦略をそのまま転用しない:マーケターが犯しうる最大の間違いは、SEO の知識を AI SEO に対してそのまま適用しようとすることである。
  • ブランドマーケティングへの移行:AI が検索に伴う手間を排除し、ユーザーがただ尋ねるだけで商品を購入できるようになるため、予算配分は従来型のブランドマーケティングへとシフトすべきである。
  • ブランド力の重要性:ユーザーが AI との対話において特定のブランドを指名したり認識したりするように導くため、強力なブランドの構築がますます重要になる。

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今まで言われてきたことのまとめのようにも感じます。

有効だとされている AI SEO のなかには、ユーザーのためではなく小手先のテクニック的なものも少なくありません。
そうした施策は効果があったとしても短命に終わることは、従来の SEO の歴史が証明しています(例:フォントを小さくした h1 タグ)

各検索エンジンからのアドバイスに含まれる本質的な施策に取り組むことが長期視点での成果につながるでしょう。