AI Modeは最終的にAI Overviewやメインの検索体験に移行する、Google CEOがコメント

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AI Mode で成功が証明された機能は、最終的に、AI Overview やメインの検索体験に移行する

Google の CEO である Sundar Pichai(スンダー・ピチャイ)氏は Lex Fridman(レックス・フリフリードマン)氏とのインタビューのなかでこのように述べました。

このインタビューは、ピチャイ氏の生い立ちや彼の現在の役割から始まり、その後、検索ほか Chrome や Andoroid などのプロダクトや将来の構想など多岐にわたるトピックで進行します。
この記事では、AI Mode と検索に関する部分にフォーカスして主要点を紹介します。

AI による Google 検索の進化

Google 検索は常に進化を続けています。
AI の高度化が現在は大きな原動力であり、ピチャイ氏は、AI を文脈・要約・対話を提供する「レイヤー」と位置付けつつも、ユーザーが最終的にウェブ情報へ到達するという核心原則は変わらないと語りました。

AI モードでは深掘りするツールとして検索を用い、1 件のクエリに対し複数検索を “query fan-out(クエリ・ファンアウト)” で展開し統合する最良モデルを投入しています。
この手法を「ページに進む前に文脈を提示する強力な仕組み」としてフリードマン氏は評価しました。

AI Mode と AI Overview

AI モードは現在、最先端の体験を求めるユーザー向けに独立タブで提供されています。
ここで成功した機能は順次 AI Overview やメイン検索へ移行するという連続的な設計になっているとのことです。
標準検索ページは 10 件の青いリンクの上に AI Overview を表示し、拡張可能な要約と出典リンクを提供しています。

ただし現時点で AI Mode は、メイン検索と同等の成熟度にはないともピチャイ氏は認識しています。

アクセシビリティと言語

AIモードの大きな利点は非英語話者への支援です。
Gemini の翻訳能力により、情報探索中に英語サイトの内容を処理でき、母国語で入手できるウェブ情報が限られるユーザーの認知的可能性を解放します。

AI Mode における広告

フリードマン氏は AI Mode への広告導入時期を質問し、AdSense がオンライン広告を変革した点を指摘しました。

ピチャイ氏は、初期段階ではオーガニック体験に注力すると述べ、広告を「商業情報」とみなし他の情報と同じ品質指標を適用する考えであることを伝えます。

将来的には AI が最適な広告統合方法を導き出すとし、YouTube でのサブスクリプションと広告の併用を例示して「広告の在り方を再考する」ともピチャイ氏は語りました。

AI Mode とウェブの未来

AI Mode の核心的な設計原則は、依然としてユーザーを人間が作成したウェブに誘導することです。

ピチャイ氏は、最終的にこの進化を推進するのはユーザーであると強調しました。
フリードマン氏は、AI Mode がインターネットをどのように変えるかどうかについて、興奮とわずかな懸念を表明しつつも、ユーザーがすでに劇的に異なり、より長い質問をするようになっており、それが好奇心を刺激していると指摘します。

一方でピチャイ氏は、こうした変化によって、ユーザーが探しているものを見つけ、探索し、意図を満たす可能性が高まる、より質の高い紹介につながると考えています。

ジャーナリズムと人間の創造への影響

変化がジャーナリストなどのクリエイターを不安にさせていることもフリードマン氏は指摘します。

この指摘に対してピチャイ氏は、ニュースとジャーナリズムの将来の重要性を強調し、Google がそのエコシステムを支援することにコミットしていると述べました。
クラウドソース情報と高品質ジャーナリズムは補完的であり、双方が極めて重要な役割を果たすといいます。

主要ポイント

インタビュー内での検索関連のやりとりの主要点をまとめます。

  • AI は Google 検索に統合され、query fan-out などの高度なプロセスで文脈・要約・対話を提供する。
  • AI Mode は現在は独立した最先端体験だが、その成果は最終的にメイン検索へ波及する。
  • AI Mode は非英語話者のアクセシビリティを向上させ、他言語コンテンツを処理できる。
  • 広告は将来的に AI Mode にも組み込まれ、広告を価値ある商業情報として Google は再設計する計画である。 AI Mode は人間が創るウェブへの誘導を重視し、高品質なトラフィックとユーザーの好奇心を促進する。
  • 人間向け AI 向けのウェブは共存可能で、高品質ジャーナリズムの重要性は継続する。

最近は意図的に AI Mode を僕は使うようにしています。
Gemini や ChatGPT の方が的確な回答を返すときもあれば、AI Mode がよりしっくりくる回答を返すときもあります。
AI Mode を使うことで、これまでのようにウェブ検索して結果に出てきたページを訪問し求めていた情報を自分で理解するというプロセスが確実に簡略化されるのは事実です。
最終的には AI Mode がメインの検索体験になるというピチャイ CEO の構想はしごく現実的に感じます。

インタビュー動画はこちらです。
また、文字起こしがこちらで公開されています。