AI ModeとGemini 3で進化するGoogle検索、パーソナライズとエージェントの時代へ

[レベル: 中級]

Google 検索のプロダクト担当 VP である Robby Stein(ロビー・スタイン)氏がインタビューを受けました。
最先端 AI モデル、特に Gemini 3 ファミリーの統合によって急速に変貌を遂げる Google 検索について語っています。

概要

過去 6 か月間、Google は従来のキーワード検索から AI Mode を通じた会話型・マルチターンのインタラクションへというパラダイムシフトを牽引してきました。

スタイン氏は、マルチモーダル入力(音声・画像)が最も成長の速い検索手段になりつつあること、そして新たに導入された Personal Intelligence により、Gmail やフォトなどの Google のエコシステムとの深い連携にオプトインすることで高度にコンテキスト化された回答をユーザーが得られるようになったことを詳しく説明します。

また、AI が情報の検索者から能動的な思考パートナー・タスク実行者へと進化するエージェント型検索の未来についても触れます。

主要ポイント

AI Mode による会話型検索へのシフト

  • 行動様式の変化:ユーザーは少数のキーワードを入力するスタイルから、マルチターンのフォローアップを伴う完全な自然言語での複雑な質問へと移行しつつある。
  • グローバル展開:パイロット段階を経て、AI Mode は夏にほぼすべての国・言語に向けてグローバル展開された。
  • 代替ではなく拡張:AI 検索は、株価確認のような素早い事実確認クエリに取って代わるものではなく、従来の検索では答えられなかった複雑でリサーチを要する質問に対応できるよう、検索の能力を拡張するものである。

Gemini 3 の能力:思考、ツール利用、スピード

  • 「ファンアウト」と「リンクアウト」:複数日にわたる旅行の計画など複雑なリクエストに対し、モデルは「思考」ステップを使ってプロンプトを分解し、複数のバックグラウンド検索クエリを同時に「ファンアウト」する。このファンアウト中に発見した権威あるウェブサイトへのリンクアウト方法をモデルに明示的に教え込んだ。引用をテキストやサイドパネルに直接挿入することでパブリッシャーへのトラフィック流入を維持している。
  • Gemini 3 Pro のオンザフライでのコーディング:Pro モデルは Python コードを動的に生成し、検索結果に直接インタラクティブな UI モジュールを作成できる(例:ユーザーのプロンプトに基づいてスライダー付きのインタラクティブな住宅ローン計算ツールを生成する)。
  • Gemini 3 Flash の高速・大規模処理:Flash モデルは最先端の知性と低レイテンシを両立し、ミリ秒単位で回答を提供する。この効率性により、Google は毎日何百万もの人々に向けて AI 検索を大規模に運用することが可能になった。

マルチモーダル・音声のイノベーション

  • ビジュアル検索の成長:Android の Circle to Search(かこって検索)と iOS のメディアアップロードは、現在 Google 検索の利用方法の中で最も成長が速い部類に入る。
  • Search Live:Google は音声ディクテーションを超え、ライブかつ会話型の音声プロダクトへと進化しようとしている。ユーザーはライブカメラを起動して対象物(料理中のまな板など)にカメラを向け、画面上に映っているものについて AI と継続的に自然な音声会話を行うことができる。

Personal Intelligence(オプトイン型コンテキスト)

  • エコシステム統合:Personal Intelligence は現在、Google Labs にて提供中で、ユーザーは検索と自分の個人データ(Gmail、フォトなど)を連携させることにオプトインできる。
  • ハイパーパーソナライゼーション:「ジムバッグを探して」という一般的なクエリに対し、AI が過去の購入履歴、ブランドの好み、Gmail に記録されたビジネスバッグのスタイルを参照することで、非常に具体的で的確なオススメ商品が得られた例をスタイン氏は紹介した。
  • Privacy by Design(プライバシー・バイ・デザイン):高度にセンシティブなデータを扱うため、プライバシーとセキュリティがデータの処理・保存方法の「コア DNA」に組み込まれており、公開ウェブ検索とプライベートデータの間に厳格な境界が設けられている。

エージェント機能の台頭

  • 検索から実行へ:検索の次なる進化は、AI がユーザーに代わってアクションを実行すること。これにより、通常 10 〜 20 分の人手によるリサーチを要するタスクが、自動化されたバックグラウンドプロセスへと変わる。
  • API の制約を克服:ユーザーがエージェントに散髪の予約を依頼した際、サロンにオンライン予約 API がない場合でも、Google のエージェントシステムがサロンに電話をかけて予約を取り、確認メールをユーザーに送ることができる。

◇◇◇

スタイン氏のインタビューはこれまでにも数回取り上げました。
AI による Google 検索の進化と今後の展望を Google の視点から知ることができます。

今後の注目は、パーソナライゼーションと AI エージェントでしょうか。

検索のパーソナライゼーションは過去にも導入されましたが、実質的にはほとんど結果に影響を与えていません。
ユーザーの役に立っていないからです。
AI に支援された Personal Intelligence でどこまで実用的になるか期待です。

また、AI エージェントに関しては、いわゆるアーリーアダプターには利用されているようですが、一般のユーザーにはほぼ馴染みのない技術です。
日常的な利用機会がどのくらい増えていくかも気になるところです。