ChatGPTが外部検索エンジンをBingからGoogleに変更か?

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ChatGPT がウェブ検索を実行する ChatGPT search が、その主要な外部検索エンジンを Bing から Google へと密かに移行したに違いないと、Alexis Rylko(アレクシス・リルコ)氏は自身の調査から結論づけました。

複数の証拠がこの変更が既に発生したことを示唆しています。

証拠 1:検索結果とスニペットの分析

リルコ氏の調査の中核は、検索結果の直接比較でした。

URLの重複率

「vacances en Sicile」(シチリアでの休暇)というクエリに対し、GPT search の情報源と Bing のトップ10結果との類似性はわずか 30% でした。
対照的に、同じクエリに対する Google のトップ 10 の結果との類似性は 90% でした。

このような Google 検索結果との高い相関性は、「Rachat de crédit」(クレジットの買い戻し)の84.3% や「Comment nettoyer un four」(オーブンの掃除方法)の 86% など、他のクエリでも一貫して見られました。

スニペットの一致

GPT search のデータに含まれる検索結果に付随するテキストスニペットは、Google が表示するものと同一でした。
ところが、同じページやクエリに対しては Bing が表示するスニペットとは異なっていることが判明しました。

証拠 2:技術的証拠

データに含まれる技術的な詳細も Google との関連性を裏付けています。

タイムスタンプ

ChatGPT search のデータには Unix 時間が含まれています。
このタイムスタンプを変換すると、Google の対応する検索結果に表示される公開日と正確に一致します。

たとえば、タイムスタンプ 1725408000.0 は 2024 年 9 月 4 日に変換され、これは Google の検索結果に表示された日付と同じでした。

URL パラメータ

Google マーチャントセンターに関連するトラッキングパラメータの ?srsltid= が、ChatGPT search が引用する URL に頻繁に見られます。

Google のオーガニック検索結果に表示されている URL を ChatGPT search がそのまま取得しているために、こうした状況が起こると考えられます。

証拠 3:Googleインデックスへのアクセス

Google のインデックス作成能力を ChatGPT search が 活用していると思われる証拠も見つかりました。

コンテンツの更新

ChatGPT 単体ではウェブページのコンテンツの変更をリアルタイムで認識できません。
その代わりに、Google によって直近にインデックスされたバージョンのページを認識しており、これはライブクロールではなくインデックスに問い合わせていることを示しています。

JavaScript のレンダリング

ChatGPT を含む多くの AI クローラーは JavaScript をレンダリングできません
一方で、Google の Google-Extended クローラーは、WRS を共有利用できるため レンダリング可能です。

それにもかかわらず、コンテンツ表示を JavaScript に大きく依存しているウェブサイトから ChatGPT search は情報を正しく取得できていました。
これは、モデルが Google のインデックスから既にレンダリングされたバージョンのページにアクセスすることによって可能となります。

証拠 4:そのほかの状況証拠

さまざまな状況証拠から、ChatGPT search が現在 Google を使用していることに疑いの余地はないとリルコ氏は結論付けています。

移行の正確な時期は不明ですが、2025 年 8 月 11 日にBing が検索 API を廃止する計画に関連している可能性があるとも推測できます。
Bing から Google への移行を促す理由になりえます。

また、Reddit のようなディスカッションフォーラムサイトが ChatGPT search の回答に頻繁に引用されていることも Google への移行を後押しします。
なぜなら、Reddit が Google 自体の検索結果で頻繁に上位表示するようになっているためです。

Google 検索最適化 = ChatGPT 検索最適化

DemandSphere の Ray Grieselhuber(レイ・グリセルフーバー)氏も独自調査から、ChatGPT search は Google のインデックスに大きく依存していると断定しています。

OpenAI からの公式な発表ではないので、ChatGPT が Google 検索のインデックスを本当に利用しているという確証はありません。
それでも、信憑性は高そうに思えます。

Google 検索の SEO に取り組み続けることが ChatGPT 検索での露出増加にも繋がるのであれば、目まぐるしく変わる AI 検索の状況に振り回されることなく、王道の施策を安心して継続できます。