3人のGoogle社員が2023年の検索を振り返る:新しいユーザーエージェント、INPへの置き換え、生成AIなど

[レベル: 初級]

Google 検索リレーションズ チームの John Mueller(ジョン・ミューラー)氏と Gary Illyes(ゲイリー・イリース)氏、Martin Splitt(マーティン・スプリット)氏が、Search Off The Record ポットキャストのエピソード 67 で 2023 年を振り返りました。

この記事では、3 人の対談のハイライトを紹介します。

新たな robots.txt ユーザエージェントが登場

Google は 2023 年に、次の2つの新しい robots.txt ユーザエージェントを導入しました。

  • GoogleOther
  • Google-Extended

GoogleOther は、Google 検索サービス専用の Googlebot と、検索以外の目的で使うクロールを分離するためのユーザーエージェントです。
検索とは直接関係しない、さまざまなプロダクトのチームが利用します。
📝すずき補足:GoogleOther に関してはこちらの記事で解説

Google-Extended は、特定の機械学習モデルのトレーニングからパブリッシャーがオプトアウトできるトークンで、現在は Vertex AI API と Bard が対象です。
📝すずき補足:Google-Extended に関してはこちらの記事で解説

複数のユーザエージェントを持つことで管理が複雑化するため、Google は慎重に選択肢を拡大しています。

コアウェブバイタルの今後予定される変更

コアウェブバイタルの 3 つの指標のひとつである FID (First Input Delay) は、2024 年 3 月から INP (Interaction to Next Paint) に置き換えられます。

この新しい指標は、サイトが最適化していた最初のクリックではなく、ウェブページ上のインタラクション間のユーザーエクスペリエンスをより適切に測定することを目指しています。
INP を継続的に追跡することで、サイトの応答性を維持することができます。
📝すずき補足:FID から INP への置き換えはこちらの記事で解説

新しい AI プロダクトの開発を継続

Google は、パッセージ検索の SGE や会話型 AI の Bard などの AI 技術を世界的に展開してきました。

「有用・無害・正直」であることを重視した AI 原則に沿って開発は行われています。
しかし、AI のトレーニングにパブリッシャーが参加/不参加を選択できる制御方法に関しては、まだ複雑な実装上の問題が残っています。
小規模なサイトにとって適切なバランスをとることは、今後も議論が続く課題です。

2023 年の思い出と 2024 年の予測

最後に、ジョンとゲイリー、マーティンの 3 人は、Google Search Central Live など、2023 年のイベントについて振り返りました。
2024 年には、フィードバックを集めるために対面のミートアップを続けたいとしています。

また、AI 機能が急速に進化する中で、プロダクト開発の質と責任に重点を置くと予測しています。

以上です。
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