Fetch as Googleのインデックス登録リクエストの上限を引き上げる予定なし、通常のクロール促進にはサイトマップを送信する

[レベル: 中級]

Fetch as Google の「インデックス登録をリクエスト」機能には上限があります。
この上限数を引き上げることを Google は考えていないようです。

利用頻度が高いのはスパム用途

Fetch as Google のインデックス登録リクエスト機能について、Google の John Mueller(ジョン・ミューラー)氏に Twitter のフォロワーが次のように質問しました。

「この URL と直接リンクをクロールする」の上限は 10 件ですが、近いうちに引き上げる予定はありますか?

ミューラー氏はこのように返答しました。

使用頻度が高いのは単にスパム目的の場合がほとんどだと私たちは認識している。だから、それ(上限の引き上げ)はないと思う。

通常の更新であればサイトマップを使うだけでいいだろう。

インデックス登録リクエストを乱発するのはスパマーさんが多いようです。;)

なお、インデックス登録リクエストできる件数は現在は次のようになっています。

  • この URL のみをクロールする――30 日間に 500 件まで
  • この URL と直接リンクをクロールする――30 日間に 10 件まで

この上限数が増えることはなさそうです。

Fetch as Google からの送信は緊急時、通常はサイトマップで送信

Fetch as Google 経由のインデックス登録リクエストは、最新の状態を一刻も早く検索結果に反映させたい場合に利用します。

たとえば、コンテンツの非常に重要な部分に訂正を加えたとか、構造化データに間違いを発見し修正したなどといったケースです。

日々、新しいコンテンツを公開するたびに Fetch as Google を実行してインデックス登録をリクエストする必要はありません。

また、大量の URL の再クロールを促す際も Fetch as Google を使ったりはしません。
URL を1つ1つ送信しなければならないため、手間がかかります。

こういったケースでは、サイトマップを使ってクロールしてほしい URL を Google に通知します。

Fetch as Google からのリクエストは必ずしもサイトマップよりもインデックスが速いとは限らないし、大量の URL をクロールさせるようには設計されていません。

ヘルプ記事にはこう書かれています。

リクエストする URL の数が多い場合は、サイトマップを送信する方法が便利です。対応に必要な時間はどちらの方法でも同じです。

クロールやインデックスの処理の信頼性に関しても、Fetch as Google が サイトマップに絶対的に勝っているわけでもありません。

(Fetch as Google のインデックス登録リクエストによる)再クロールは即時に行われるわけではなく、インデックスへの登録が保証されるわけでもありません。 通常、リクエストに特に問題がなくても、処理されるまでには数日かかります。また、Google では複雑なアルゴリズムを使ってインデックス登録されたデータの更新を行うため、必ずしもすべての変更がインデックスに登録されるとは限りません。

概して言えば、クロールおよびインデックスの促進はサイトマップ送信で十分達成できます。

今ベータテスト中の、新しい Search Console に搭載予定の「インデックス カバレッジ」にはサイトマップで送信した URL に基づくレポートもたくさん準備されているようです。

大規模サイトでは、カテゴリごとに区切ったサイトマップも送信しておけば、より細かな分析も可能になります。

インデックス促進に限らず、サイトマップを有効に活用しましょう。

一方で、Fetch as Google のインデックス登録は基本的には緊急を要する場合のみの利用です(もちろん毎日使ったからといって、ペナルティを受けるなんていうことは絶対にありませんが)。