コンテンツ作成者のレピュテーションをGoogleは検索アルゴリズムに本当に利用しているのか?

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Google の検索結果の品質を評価するためのガイドラインが「July 20, 2018」(2018 年 7 月 20 日) バージョンに更新されました。
このバージョンでは、特に YMYL サイトにおける、コンテンツ作成者のレピュテーション(評判や信頼性)に重きが置かれるようになりました。
簡単に言えば、「だれがそのコンテンツを作ったのか?」が品質の評価項目としてこれまでのバージョンよりも重視されているのです。

しかし、だからといってコンテンツ作成者のレピュテーションを検索アルゴリズムが直接判断しているわけでもなさそうです。
この記事を書いた人には良いレピュテーションが与えられている、一方この記事を書いた人には悪いレピュテーションが与えられているのようなレピュテーション リストを Google は所有したりはしていないようです。

悪いレピュテーションを持つ著者の言及を削除しても何も変わらない

英語版のオフィスアワーで、悪い評判が与えられた記事作成者との関係性を運営サイトから断ち切るにはどうしたらいいのかという質問が出ました。
質問者のサイトは次のような状況です。

  • 複数人で記事を書いている YMYL 系サイト
  • 記事執筆者うちの1人の評判が悪いことが判明した
  • 評判は悪いがコンテンツの質は高いので残しておきたい

このような状況において、記事執筆者に関係する言及をサイトからすべて削除することを質問者は検討しています。
削除すれば、その記事執筆者が持つ悪いレピュテーションがサイトに悪影響を及ぼすことを防げるのではないかと考えているからです。

ミューラー氏の回答の要点は次のとおりです。

  • その執筆者への言及を削除したとしても、それは一般的な単なるサイトの変更にしか過ぎない
  • 品質ガイドラインがコンテンツ作成者のレピュテーションを重視するようになったからといって、検索アルゴリズムがそれを必ずしも使っているとは思わない
  • すべてのコンテンツ作成者のレピュテーションをチェックしてランキングに利用するということはやっていない

評価ガイドラインとアルゴリズムは別もの

品質ガイドラインはあくまでも検索結果の品質を評価することが目的です。
ランキングやアルゴリズムに直接影響を与えるものではありません。
現状把握や課題発見の1つの情報源としてガイドラインは用いられます。

したがって、品質ガイドラインがレピュテーション重視になったからといって、それ専用のアルゴリズムが組み込まれたと判断するのは早合点です。

ウェブで、良い評判を獲得すること、信頼性を高めることは言うまでもなくとても重要なことです。
取り組みたいことです。

しかしだからといって、ReputationRank のような指標があったり何か単一のシグナルを用いたりしてレピュテーションを Google が評価していると想定し、それに合わせてサイト運営するのは賢いやり方ではないように思えます。