AMPキャッシュで“クロスドメイン トラッキング”を有効にするAMP Linker

[レベル: 上級]

AMP Linker という仕組みが AMP に導入されました。
AMP Linker を構成すると、別ドメイン名のサイトに AMP キャッシュから移動した際にセッション情報を引き継ぐことができます。
言わば、AMP 版のクロスドメイントラッキングです。

ファースト パーティ Cookie として機能させる AMP Linker

たとえば、Google モバイル検索から AMP ページにアクセスしたときは、AMP キャッシュが返されます。
そのページを配信している、オリジンのドメイン名からではありません。
リンク経由で AMP キャッシュから離れると、AMP キャッシュページで配信された Cookie は、移動先のサイトではサードパーティ Cookie とみなされます。

昨今では、多くの解析ツールがサードパーティ Cookie を許容しません。
セッション情報を引き継ぐことができないためアクセス解析に支障が起きてくる場合があります。

たとえば EC サイトでは一連の購入行動を正しくトラッキングできないことがあります。
モバイル検索から訪問した ユーザーが AMP キャッシュで商品をカートに入れ、その後本サイトで購入を完了しても、同一ユーザーとして認識されないかもしれません。

ニュースサイトで、有料記事を読むために AMP キャッシュでログインしたユーザーが 本サイトで 10 ページ読んだとしても、検索から来たユーザーとして認識されないかもしれません。

AMP Linker はこうした状況を解消します。
リンク経由で AMP キャッシュから離れる際に、URL に AMP Client ID などの情報を含め、ファーストパーティ Cookie のように処理させることができます。

AMP Linker の設定方法

AMP Linker の設定方法は解析ツールによって異なります。

Google アナリティクス の場合は次のようになります。

<amp-analytics type=”googleanalytics”>
 <script type=”application/json”>
   {
     “linkers”: {
       ”enabled”: true
     }
   }
</script>
</amp-analytics>

linkers の部分の挿入ですね。

ただし、AMP Client ID API を構成していれば、追加設定は不要です。
自動的に、AMP Linker が有効になっています。

検索からのアクセスを正しく計測するには、AMP Client ID API の実装は必須です。
もう構成しているはずです。
だとすれば、何もする必要はないということになります。

とはいえ、AMP で “クロスドメイン トラッキング” ができるようになったのは解析担当者にとっては価値がある改良です。