アドワーズの動的ランディングページ最適化(DLPO)を使ってみよう

Google AdWordsで品質スコアやコンバージョン率を上げるのに、LPO(Lainding Page Optimization:ランディングページ最適化)は欠かせません。

PPCでは広告だけではなく、クリックした後の着地点となるウェブページの良し悪しも、成功のカギを握っているからです。

広告同様にランディングページも、キーワードに限りなくマッチした構成にするのがポイントになります。

ですが、入札するキーワードの数が多くなると、各キーワードに対応したランディングページを作るのは大変です。

まったく同じことが広告の作成にも当てはまりましたが、広告の場合はすでに解説したキーワード挿入機能(DKI)を利用することで労力を大幅に削減することが可能でした。

DKIと同じようにランディングページも検索キーワードによって、動的(自動的)に変化させることができるとしたらどうでしょう。

キーワードに応じてウェブページのタイトルを変化させたり、真っ先に目に入る見出しを検索キーワードに応じて変化させて目立たせることができるとしたら・・・。

今日はそんな夢のような、検索キーワードに応じてランディングページを動的に最適化する方法を教えます。

特定の用語があるわけではないのですが、動的ランディングページ最適化(Dynamic Landing Page Optimization: DLPO)と呼ぶことにします。

言葉は難しげですが、DLPOでやることは簡単です。

ウェブページで、検索キーワードを挿入したい部分に次のコードを記述するだけです。

<?php
if ($_GET['kw'])
{echo ucwords($_GET['kw']);}
else
{echo ucwords("●●●");}
?>

※コードの中の「”(ダブルクォーテーション)」と「’(シングルクォーテーション)」が全角表示されるかもしれませんが、半角で記述してください。

たとえば、titleタグに次のように記述すると、

<title>auの
<?php
if ($_GET['kw'])
{echo ucwords($_GET['kw']);}
else
{echo ucwords("携帯電話");}
?>

が激安!</title>

検索キーワードが「W62H」で表示された広告がクリックされた場合は、ランディングページのタイトルは「auのW62Hが激安!」になり、「W64SA」で表示された広告がクリックされた場合は、ランディングページのタイトルは「auのW64SAが激安!」になります。

注意点を説明します。

見て分かるようにPHPスクリプトを使っています。

PHPをサポートしている環境でのみ利用可能です。

ウェブページのファイルの拡張子は、「.php」になります。

.htmlで動かしたい場合は、.htaccessファイルで設定してください。

ロリポップ、さくら、エックスサーバーは.htaccessに次のように記述します。

RewriteEngine on
RewriteRule ^(.*)\.html$ $1.php [T=application/x-httpd-php]

XREA、CORESERVERは次のように記述します。

RewriteEngine on
RewriteRule ^(.*)\.html$ $1.php [T=application/x-httpd-php]
php_flag allow_url_include on

※サーバーによって違いがあるので、上記以外のサーバー会社や上記で機能しない場合は、お使いのレンタルサーバー会社に問い合わせてください。

※.htaccessが何のことか分からなければ、出直してググってください。w

コード中の「●●●」には、既定のキーワードを指定しておきます。

アドワーズ広告以外からアクセスしたときや、何らかの問題でスクリプトがうまく処理されなかったときに、代入されます。

サンプルで言うと「携帯電話」の部分です。
直接URLをたたいてアクセスしたときは、タイトルが「auの携帯電話が激安!」になります。

AdWordsの広告設定で「リンク先 URL」に、「?kw={keyword}」を末尾に追加します。

例:
http://www.suzukineichi.com/ppc/index.php?kw={keyword}

このパラメータがないとキーワードが挿入されないので注意してください。

HTMLの文字セット(charset)を「UTF-8」にしてください。
かつファイルの文字コードを「UTF-8」に指定して保存してください。

GoogleではUTF-8で文字がエンコードされるためです。

UTF-8に設定しないと、文字化けします。

文字コードやUTF-8が何のことか分からない場合は、出直してググってください。ww

DLPOが正しく機能しているか確認する方法です。

URLの末尾に追加する「?kw={keyword}」の「{keyword}」の部分に、表示させたいキーワードをUTF-8でエンコードした文字列を代入します。

UTF-8へのエンコードはこちらでできます。

「鈴木謙一」をUTF-8でエンコードすると、このような文字列に変換されます。
%E9%88%B4%E6%9C%A8%E8%AC%99%E4%B8%80

「%E9%88%B4%E6%9C%A8%E8%AC%99%E4%B8%80」を「{keyword}」に代入したURLにアクセスすると、DLPOのコードを記述した部分に、「鈴木謙一」が入ったウェブページが表示されます。

例:
http://www.suzukineichi.com/ppc/index.php?kw=%E9%88%B4%E6%9C%A8%E8%AC%99%E4%B8%80

UTF-8にエンコードする前のキーワード(例では「鈴木謙一」)が正しく表示されていれば、スクリプトは正常に動いています。

AdWordsの広告をクリックしたときも正常に機能しているかどうかを確認するには、実際に自分の広告をクリックするしかありません。
入札価格の安いキーワードで確かめてください。(笑)

セキュリティの観点で、ucwordsという関数よりもhtmlentitiesという関数を使って、

{echo htmlentities($Get_['kw']);}

としたほうが安全だそうです。

ただ僕は、プログラムには疎いので詳しいことは分かりません。

ここで解説したDLPOはOvertureでも使えるらしいのですが、僕が試した限りでは使えませんでした。
日本のOvertureでは、ダメなのかもしれません。

DLPOがランディングページの品質スコアに与える影響ですが、AdWordsのサポートに問い合わせたところ、個別の事例に関しては案内はできないとのことで回答してもらえませんでした。

僕が利用してきた限りでは、良い方向にも悪い方向にも影響を与えないという認識です。
少なくともマイナスにはなっていないようです。

DLPOは、品質スコアにはプラスにならないとしても、ユーザーに与えるインパクトは上手に使えば間違いなくプラスに働くはずです。

ぜひ活用してみてください。