Googleがピジョンアップデートを実施、ローカル検索のアルゴリズムを大きく更新

[対象: 上級]

鳩
[Image Credit http://goo.gl/LHcPHh]

Googleは、ローカル検索結果(地図検索結果)を提供するアルゴリズムを大幅に更新しました。

ローカル検索のアルゴリズムをウェブ検索に統合

レポートしたSearch Engine Landによれば、このローカル検索のアルゴリズム更新には次のような特徴があるとのことです。

  • 通常のウェブ検索のアルゴリズムに今までよりも密接に統合
  • Googleマップとウェブ検索のローカル検索結果に影響
  • 距離と場所のランキング要因を改善
  • 米Google (google.com) の英語の検索結果のみに実施

1つめがもっとも注目すべき変更になるでしょうか。
ローカル検索専用のアルゴリズムでなく、ウェブ検索に用いられるアルゴリズムをローカル検索の結果を導き出すためにも幅広く利用するようになりました。

ただこれ以上の詳しいことをGoogleは明かしていません。
公式ブログなどでの正式な発表をGoogleは予定していないようです。
Search Engine Landだけに排他的に情報提供しました。

現在確認されている、アルゴリズム更新によるものと思われる変化をこのあとまとめます。

ローカルディレクトリ型のサイトの順位が上昇

単独のサイトではなく、そのクエリに関連するサイトの一覧を掲載しているサイトが上位を占めるようになりました。

つまり、ある1つのレストランやホテルのページではなく、いくつものレストランやホテルの情報を集めて掲載しているサイトのページの評価が上がりました。

日本でいうなら、食べログやじゃらんなどのそのジャンルのポータルサイトです。
◯◯レストランや◯◯ホテルという、そのレストラン・ホテルの単独のサイトが上位に出づらくなっています(上位というよりも、1ページ目、2ページ目にすら出なくなっているケースもある)。

ローカルカルーセルには個別のサイトが出るものの、オーガニック検索にはローカルディレクトリからのページが多数表示されます。

また米Googleでは、「Yelp」を含んだ検索であってもYelpのページが1位に表示されないという問題が指摘されていましたが、このアルゴリズム更新で解消されました。

検索場所に近い結果

検索ユーザーがいる位置に近い地図検索結果が返されるようになりました。

もちろん今までも検索ユーザーの位置に近い場所を返してはいました。
ところが、たとえば特定の都市名を含んだクエリではユーザーがどこにいようが同じ結果を返していました。
たとえ、その結果が遠く離れたところにあってでもです。

しかし新しいアルゴリズムのもとでは、検索ユーザーがその時いる場所に非常に大きく検索結果が依存しています。

モバイルユーザーの爆発的増加により適切に対応するためかもしれませんね。
都市名を含んでいたとしても、徒歩での外出中に歩いて行けない距離のお店を見せられたら困ることだって多いでしょう。

パック結果とオーガニック結果の重複解消

ローカル結果がまとまって表示されることがあります。
7つのことが多いので、7 Pack(セブン・パック)と呼ばれることがあります。

「新宿ホテル」の7パック

パック結果とウェブ検索結果(通常のオーガニック検索の結果)は別もので、サイト(ページ)によっては両方に表示されることがあります。
1ページに2つ表示できるのですから、そのサイト管理者にとっては嬉しいことです。

しかし、アルゴリズム更新によってパック結果とウェブ検索結果の両方に表示されることがなくなりました。
ローカル検索とウェブ検索のアルゴリズムの統合の影響でしょう。

なお、MozCastが 7 Pack の出現率が60%以上も大きく減少したデータを示していましたが、計測方法に不備があったようで正しい状況をレポートできていなかったようです。
アルゴリズム更新によりパック結果のパラメータ等にも変更があったためと思われます。

本当に7パックが減ったかどうかはまだわかりません。
ただし1つ上で書いたように、検索場所によっては7パックの中身が大きく入れ替わったクエリがあります。

大きな変動

パンダアップデートやペンギンアップデートとは異なり、検索結果に与える影響をGoogleは示していません。
比較的大きな変動を発生させているようです。
もっとも、新しいアルゴリズムの導入なので、このあと調整が入ることもあり得ます。

ピジョンアップデートと命名

このアルゴリズム更新に対してGoogleは特別な名前を付けていませんでした。
そこでSearch Engine Landは、識別しやすいように「Pigeon Update(ピジョンアップデート)」と名付けました。

本当はGoogleが名前を付けてくれるといいのですが、「ピジョンアップデート」で検索する人のためにとりあえず言及しておきます。w

ちなみにPigeon(鳩)にした理由を、「ローカル検索の更新で、鳩は自分の家に飛んで戻ってくるから」と説明していますが、僕には何の繋がりがあるのか理解できません。

because this is a local search update and pigeons tend to fly back home.

どなたかわかりますか?

米Googleの英語結果のみに適用

すでに書いたように、米Googleの英語の結果だけに今回のローカル検索のアルゴリズム更新は適用されます。

グローバルで展開するかどうかにはGoogleは触れていません。
したがって、僕たちに今すぐ影響するアルゴリズム更新ではありません。

今後の動きに引き続き注目していくので、新しい情報が入ればこのブログで報告します。

[Sources]