Googleが大規模アルゴリズム変更を実施、新しいコンテンツを評価、全検索の35%に影響

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Googleは、新しいアルゴリズムを導入したことをアナウンスしました。

新しいアルゴリズムでは、適切だと判断された場合に新しい情報が上位表示されやすくなります。

この変更が与える影響はかなり大きく、全検索の約35%に影響を与えるとのことです。

米国のSEO業界を震撼させた(初代)パンダ・アップデートでさえ、11.8%だったことを考えると、今回はその3倍以上でいかに大きなインパクトをもたらすアルゴリズム更新かが分かります。

ただしありとあらゆる検索において最新情報がより高く評価されるわけではなく、新しい情報が求められるであろうとGoogleが判断した検索に適用されます。

たとえば以下の3つのようなパターンです。

  • 最近のイベントやホットな話題 — 最近開かれたイベントや今話題になっているホットなトピックでは、最新情報が出るようになります。数秒前にインデックスした結果が並ぶこともあります。新聞の一面に載るようなニュースが該当します。
  • 定期的に行われるイベント — 定期的に繰り返されるイベントでは、開催時期を指定しなくても、直近または来るべき、そのイベントの情報が出やすくなります。たとえば「Olympic 2012」と検索せずに「Olympic」だけでも次回のロンドンオリンピックのページが出てきます。50年前のオリンピックの結果を見せられてもほとんどの検索者は困るはずです。
  • 頻繁に更新する情報 — 更新する頻度が高い情報でも新しさを優先することがあります。たとえば価格比較やレビューは新しい情報のほうが役に立ちます。

料理のレシピを調べる検索のように、“新しさ”が特に求められない検索ではこのアルゴリズムは適用されません(テレビ番組で放映され、多くの人が突然興味を持って検索し始めた料理のレシピなら適用されそうですが)。

“新しさ”、“最新さ”(英語では“Freshness”)が重要だと判断される検索にだけ適用されるのが、今回のアルゴリズム変更になります。

最新のコンテンツを検索結果に出すQDF (Query Deserves Freshness)というアルゴリズムがGoogleにはすでに存在します。

新しいアルゴリズムはQDFと何が違うのでしょうか?
公式アナウンスではまったく触れられていません。
※追記あり

最新の情報がより高く評価されるようになったのか、あるいはQDFはホットな話題(3つ挙げた上の例の1番目)に適用されましたが、もっと幅広い範囲で最新情報を優先するようになったのが新しいアルゴリズムかもしれません。

なお新しいアルゴリズムの導入を実現した背景には、高速インデックスを可能にしたカフェインの支えがあるとのことです。

気になるのは日本のGoogle(google.co.jp)にも導入されているかどうかです。

米Google(google.com)だけなのか他の国のGoogleにもなのかについても、公式アナウンスでは触れられていません。
※追記あり

いくつかのキーワードで検索してみると、以前とは結果がガラリと変わって新しいページが多く出てくるものもありますが、今回のアルゴリズム変更によるものと断定することはできません。

また日本語で「オリンピック」と検索してもロンドンオリンピックのページがほとんど出てきません。
ただこれはそもそもロンドンオリンピックについて書かれた適切な日本語ページが少ないからかもしれません(単に“新しさ”だけではなく、やはり“質”も評価の対象になっている)。

“新しさ”を評価する新アルゴリズムについて日Googleでの状況分析があれば教えてください。

【UPDATE】
Search Engine LandのDanny Sullivan(ダニー・サリバン)氏によれば

  • 今回のアルゴリズム変更は以前よりも2倍のクエリに対して新しいコンテンツを提供する(つまりQDFは17.5%の検索に影響していた。「0% ⇒ 35%」ではなく「17.5% ⇒ 35%」の拡大)
  • “新しさ”を判断する要素の1つはそのページを初めてクロールした時で、あとから変更してもすぐには新しいとはみなされない。

とのことです。

【UPDATE 2】
日本にも導入されています。
公式アナウンスが出ました。
Google Japan Blog: 検索結果がよりタイムリーに