Google、ウェブページの読み込み速度をアルゴリズムに取り入れたことを発表

Googleは、ウェブページの表示速度を検索順位を決める要因の1つとして採用したことをウェブマスター向け公式ブログで明らかにしました。

ページの読み込み時間をアルゴリズムに組み込む予定だということは去年に発表されており、ついにそれが実現化したことになります。

まず重要点を3つリストアップします

  • Google.comの英語の検索ですでに導入済み
  • 影響を受ける検索は限られていて全体の1%以下
  • 200以上のアルゴリズムの1つに過ぎず、関連性がもっとも重要視されることに変わりはない

順位決定のアルゴリズムにページの表示速度が組み込まれたということは大きな出来事ですが、過剰に反応することは控えた方がよさそうです。

表示速度と関連性のどちらが重要かと問われたら、間違いなく関連性の方が重要です。
以前にGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏がビデオで説明したとおりです。

先に関連性・有益性ありきです。
その上で速ければなおよい、ということになるでしょう。

同じようなクオリティのページ(サイト)があって甲乙付けがたい場合、片方は軽快、もう片方は鈍い、となれば速い方を選ぶのはごく自然です。

それでもスピードそのものが真っ先に求められる要素ではありません。
200以上あるアルゴリズムのなかの1つの要因で、ウェイトもけっして大きなものではなさそうです。

テストを重ねて、Google.comの英語の検索で2、3週前に導入済みだということです。
したがって、Google日本や日本語の検索ではまだスピードは考慮に入れられていません。

また影響を受ける検索は全体の1%にも満たないとのことです。
1%といってもGoogle.comの検索ボリュームを想像すると相当の量に思えますが、それでも影響範囲は限定されているようです。

Googleは、ユーザーエクスペリエンスの向上を狙ってウェブページの表示速度をランキング指標の1つとして採用しました。

SEOを脇に置いて1人のユーザーとして考えたら、たしかにモッサリとしてなかなか表示されないサイトよりは、サクサク表示された方がサイト内を閲覧していて気分はいいですよね。
それに○秒ルールなんてよく言われますが、表示が遅いサイトの直帰率が高い傾向にあるのは実体験から考えても間違いないでしょう。

また調査によれば、サイトの表示速度を改善することは運用コストの削減にもつながるそうです。

Googleにしてみれば、ページの読み込み時間をアルゴリズムに取り入れることは得られるメリットが大きいということになりそうです。

画像が多いサイトにはどう配慮するのかといった問題やスピードと有益性は関係ないという意見も出るでしょうが、今後対応していくでしょう。

SEOにプラスになるしユーザーにとってもプラスかつ管理コストはマイナスになる可能性があるなら、不平不満を言わずにスピードアップに取り組んでみるのもよさそうです。

Googleは、ウェブページの表示スピードを向上させるために利用できるツールをいくつか紹介しています。

  • Page Speed
  • YSlow
  • WebPagetest
  • Googleウェブマスターツールのサイトのパフォーマンス

Page SpeedYSlowは、Fifefoxのアドオンです(ともにFifebugのなかで動く)。
表示速度に関連する項目をチェックしてくれます。

WebPagetestも同じようにページの読み込みに関係する要因を診断してくれるウェブベースのツールです。

WMTのサイトのパフォーマンスはGoogleが提供するツールで以前にこのブログで解説しました。

表示速度の向上と一口にいっても、余分なコードを削除するといった簡単なものから、CDNを使うという大掛かりなものまでさまざまな施策が存在します。

すぐにできそうなもの代表例はこんなかんじですかね。

  • 意味のないタグやコメントや空白スペースなど不要なコードの削除
  • Javascriptの外部化
  • CSSの外部化
  • 画像のサイズ調整

WordPressを使っているなら、Autoptimizeというプラグインを使うと、コメントや空白、改行を自動で削除してくれます。
この後に出てくるCSSやJavascriptの圧縮もやってくれますが、僕の環境では不具合が出るので利用してません。

引っ越しが面倒でなく費用がそれほどかからないなら、レスポンスのよいサーバーへの乗り換えも検討項目に入るでしょう。

少し高度になると転送データの圧縮があります。
クライアント(ブラウザ)がサポートしていれば、HTMLやJavascript、CSSをGZIP圧縮して送信できます。

ただいろいろな方法があって、サーバーによって利用できたりできなかったりと、技術的にやっかいな面があります。
僕は利用していますが、教えるにはちょっと不安です。(笑)
今度これを試してみようと思ってますが、面倒そうで。
誰かまとめて分かりやすく教えてほしいです。

Worpressを使っているなら、GZIP Outputというプラグインを使うとHTMLドキュメントをGZIP圧縮して送信してくれます。
僕の場合けっこう早くなりました。

なお更新が止まっていてWP2.5までのサポートですが、最新の2.9.2でも動いてます。(笑)
ずっと以前はWP自体にGZIP圧縮の機能があったんですがなくなっちゃったんですよね。
また復活してくれないかな。

AdSenseはページの表示速度に悪影響を与えないようにしているので何もしなくていいとのことです。

Google Analyticsは非同期トラッキングコードに差し替えるように公式ブログで推奨しています。
関数の変更などが必要ですが、標準のコードを貼っているだけなら置換えだけですみますね。

これらのほかに比較的簡単にできるウェブページの表示速度向上のための施策があれば、ぜひ教えてください。

最後にどのくらいなら「速い」と言えるかについて触れておきます。

目安としては「2秒以内」になりそうです。
先週のWeb担の連載コーナーで書いたように、GoogleのMaile Ohye(マイリー・オイエ)さんがそのように言っています(ただ補足にも書いたように”server response time”「サーバーの反応時間」と言ってるので厳密にはページの表示速度とは違うのかもしれません)。

詳細な説明はないのですが、GoogleはGooglebotがサイトのアクセスしたときのサーバーの反応速度とGoogleツールバーをインストールしてあるブラウザからのデータをもとに情報を収集しているようです。

これを考えると参考にしかならないものの、WebWaitというサイトでもページの表示にどのくらいの時間がかかるかを計測してくれます。

ウェブページの読み込み時間のスピードアップに取り組み始めると多種多様な手段が見つかって混乱してしまい、こればかりに気がとられてしまうかもしれません。
結果的にコンテンツの充実が疎かになってしまうことがありえます。

「経験者談」ですので(笑)、簡単にできるところから始めましょう。